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2024年9月2日

【プレスリリース】公正で持続可能な気候・エネルギー政策を主導するリーダーを:自由民主党総裁選と立憲民主党代表選に向けて

プレスリリース

2024年9月2日
国際環境NGO 350.org Japan

 

公正で持続可能な気候・エネルギー政策を主導するリーダーを:

自由民主党総裁選と立憲民主党代表選に向けて

 

記録的な台風が日本の各地で深刻な被害をもたらす中、自由民主党の総裁選と立憲民主党の代表選の準備が進められています。私たち国際環境NGO 350.org Japanは、気候変動に歯止めをかけるため、気候・エネルギー政策が積極的に議論され、化石燃料から再生可能エネルギーへの公正な転換を主導するリーダーが選出されるよう求めます。また、メディアに対して、候補者たちの気候変動対策について精力的に取材し、報道するよう要請します。

内閣府の「気候変動に関する世論調査(2023年)」においては、日本の18歳以上の国民の約9割(89.4%)が「気候変動に関心がある」と回答しています。他方、日本の現在の気候目標は、パリ協定がめざす1.5℃目標に対して「不十分である」と科学者グループに評価されています(*)。

現在、政府の審議会において、国のエネルギー政策の根幹である『エネルギー基本計画』と、パリ協定のもとで提出することが求められている2035年の温室効果ガス排出削減目標を含む『国別貢献(NDC)』についての検討が行われています。COP28ドバイ会議における化石燃料からの脱却、2030年までの再エネ設備容量3倍というグローバル合意、そして2035年の石炭火力発電全廃というG7サミット合意を政策に反映させることが求められています。

緊急性の度合いを増している気候変動の危機に対し、政治の役割は極めて大きく、今回の総裁選及び代表選も、重要な意味を持ちます。

 

国際環境NGO 350.orgの荒尾日南子ジャパン・チームリーダーは次のようにコメントしています。

「今回注目されている政治資金をめぐるスキャンダルや候補者のジェンダーの偏りなどは、それぞれ重要です。しかし、気候危機も、今、あらゆるセクターのあらゆる局面で議論され、解決策が模索されるべき重要課題です。気候問題に取り組む市民は、総裁選及び代表選で候補者たちが気候危機について何を語るか注目しています。しかし、海外と異なり日本では気候危機が選挙の重要争点になかなかなりません。その原因には、政治家や企業のリーダーシップの欠如や、メディア報道のあり方があります。今夏は熱中症被害が多発し、豪雨水害も私たちの暮らしや農林水産業、交通網に甚大な悪影響を及ぼしています。深刻化する気候災害は、もはや単なる『自然』災害ではなく、化石燃料の大量消費によって深刻化している『人災』です。日本国民には、猛暑や巨大台風と気候変動がつながっていること、その解決には再エネへの転換が不可欠だという科学的事実を知る権利があります。メディアには、今回の総裁選及び代表選で、気候危機を重要争点として候補者に気候政策を問うよう求めます」

 

国際環境NGO 350.orgの伊与田昌慶ジャパン・キャンペーナーは次のようにコメントしています。

「2020年には国会において『気候非常事態宣言』が決議され、2023年には超党派議連『カーボンニュートラルをめざす会』が結成されるなど、気候危機に問題意識を持つ政治家もいたはずです。しかし、パリ協定の1.5℃目標に向けた脱化石燃料、とりわけ省エネや再エネの強化は遅れています。目下のエネルギー基本計画や国別貢献(NDC)の検討も、気候危機の緊急性を十分踏まえた議論が行われているようには見えません。今こそ、気候をまもるため、超党派の政治のリーダーシップが必要な時です。
今回の総裁選及び代表選の候補者の中には、再エネ100%宣言、石炭火力輸出要件、カーボンニュートラル宣言、エネルギーの国民的議論など、気候・エネルギー分野で実績のある議員もいます。これらは十分ではないものの、一定の前進でした。今まさに起きている気候非常事態において、飛躍的な政策強化を求める市民の声を聞き、責任をもって行動する政治リーダーこそが必要とされています」

 

*Climate Action Tracker
https://climateactiontracker.org/countries/japan/

 

 

以上

 

 


国際環境NGO 350.org Japanへのお問い合わせ

伊与田昌慶(いよだまさよし)

国際環境NGO 350.orgジャパン・キャンペーナー
メールアドレス:[email protected]

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