350 Japanリーダー挨拶

気候危機を止めるためにもっとも必要なことは、私たち「普通の人」が力を合わせることです。

 

今の社会は、世界の人口の1%に満たないもっとも裕福な人たちが世界の富の38%を手にし、世界の富のたった2%で世界人口の半分をしめるもっとも貧しい人々が生き延びている状態です。*1 お金の力が政治を動かし、特に貧しい人の暮らしや健康、そして自然を破壊しながら、膨大な富が一部の人の手の中に蓄えられてきました。

その結果、人類は今、途轍もない危機に直面しています。人類を含む多くの生物が地球に住み続けることができなくなり始めています。

最近、早くて2030年には夏の間、北極の氷が全て溶けてしまうという予測が公表されました。*2 そんな規模で地球が壊れ始めているのです。国内での猛暑や豪雨の増加は天災ではありません。化石燃料を燃やすことで出る二酸化炭素などの温室効果ガスが毛布のように地球をくるみ、地球の熱が宇宙に放出されなくなっていることが原因です。

一度スイッチが入ると止めることのできない地球規模での気候崩壊へのティッピングポイントがもうすぐそこまで迫っているとも予測されています。*5 

気候危機によって、私たちが生きている間に、自身や大事な人の人生が大きく左右されることは十分すぎるほど起こりうることです。

この危機を乗り越えるには、2030年までの残りわずかな時間が勝負です。しかし、問題解決に向けて決定権をもっている人たちの多くは、今の社会の構造から富と力を得ているために腰が重いため、ピープル・パワー、「普通の人」の力が必要とされています。

 

私たちにはこの問題への解決策を手にしています。しかし、必要な規模とスピードで実行されていません。

 

日本中の発電方法を再生可能エネルギーにし、電気自動車の導入、建物の断熱の促進などを中心に、あらゆるところで自然と調和した生産・消費・暮らし方に急いで転換させ、原因となる化石燃料の消費を急速にゼロに近づけることで、気候崩壊を免れ、安全な未来を手に入れられる可能性をグッとあげることができます。*3

そのためには、私たちが多くの人と手を取り合い、国や企業のリーダーたちが無視できないぐらい大勢で気候対策を実施するように伝え、同時に再エネの発電所を作ったり、有機作物を栽培したり、自然と調和した未来への変化の一部に自ら、少し急いで参加していく必要があります。

私たちは、自分で選んだ訳ではないですが、人類を気候崩壊から守ることのできる最後の瞬間・チャンスを今、生きています。

 

一見自然を守るためのように見えるこの活動も、蓋を開けると、社会のあらゆる不平等な構造を変えていく取り組みです。

 

私たちが手を取り合って進んでいくその先に見えるのは、今よりずっと優しく、幸せな世界です。競争社会の中では得ることの難しい多様性と安心感に溢れる社会です。

350 Japan は皆さんの気候危機運動への入り口になりたいと思っています。350 Japanのボランティアコミュニティには1000人以上の人が登録し、LINEでイベントやアクションの情報を受け取っています。その多くは、社会運動に参加したとこのない人たちです。

ぜひご一報ください。力を合わせる最初の一歩を一緒に考えられると嬉しいです。

 

 

350.org Japan リーダー

荒尾日南子

あらお ひなこ