2024年5月15日

【プレスリリース】エネルギー基本計画、見直し開始:民主的な議論に基づく気候・エネルギー政策を求めてアクション実施

プレスリリース

2024年5月15日
国際環境NGO 350.org Japan

 

エネルギー基本計画、見直し開始:
民主的な気候・エネルギー政策の国民的議論を求めるアクション実施

 

本日5月15日、経済産業省の審議会において、国のエネルギー政策の基盤である「エネルギー基本計画」の見直しの議論が始まりました。これに際して、国際環境NGO 350.org Japanは、若者を含むアクティビストや市民有志合計約30人と共同で、経済産業省の本館前にてアクションを行いました。また、本日の審議会の議論を踏まえ、コメントを発表しました。

 

 

 

(写真)5月15日、エネルギー基本計画に対する市民アクション

*その他の写真はこちらのフォルダよりダウンロードいただけます。
(記事にお使いいただける場合、写真のクレジットは「(c) 350 Japan」にてお願いいたします)

 

 

 

国際環境NGO 350.orgのジャパン・キャンペーナーの伊与田昌慶は次のようにコメントしています。

「エネルギー基本計画の見直しに向けた議論がようやく始まりました。国全体の温室効果ガス排出量の約9割が化石エネルギー由来である日本にとって、エネルギー政策と気候変動対策は直結しています。COP28ドバイ会議における化石燃料からの脱却、再生可能エネルギー3倍、省エネルギー改善率2倍といった目標や、G7気候・エネルギー・環境大臣会合における石炭火力発電フェーズアウトの合意を踏まえ、省エネルギーをさらに深堀りするため、そして原発も化石燃料もない再生可能エネルギー100%へ転換するための議論を急がなければなりません。

しかし、本日の審議会では、残念ながら、危険な原子力や、気候危機を招く化石燃料から脱却すべきとの声はほとんど聞かれませんでした。国内有数のCO2排出源である鉄鋼産業や、石炭火力発電を新増設してきた化学企業、長きにわたって気候変動対策の強化に反対してきた経済団体の代表などから、原子力や化石燃料の推進を求める発言が相次ぎました。電力需要の抑制を含む省エネルギーや、石炭火力発電のフェーズアウト、再生可能エネルギー3倍に向けた政策強化など、パリ協定の1.5℃目標の実現に貢献するための議論こそ必要です

 

国際環境NGO 350.orgのジャパン・ジュニア・フィールド・オーガナイザーの飯塚里沙は次のようにコメントしています。「本日のエネルギー基本計画についての審議会『基本政策分科会』の開催予定が正式発表されたのは、昨日でした。審議会はYouTubeでライブ中継され、今後も国民の意見を集める意見箱を設置するとされたものの、傍聴の申請も受け付けておらず、このような運営では、市民が審議会をタイムリーに視聴し、エネルギーの議論に十分に参加することができません。エネルギー政策は、気候変動のより大きな影響に直面することになる若い世代や女性、気候災害の被害者や原発事故の避難者などの当事者を含む、すべての市民にとって大切なものです。そのエネルギー政策の検討において、委員の多くが化石燃料や原子力の維持拡大を求める立場の高齢男性に偏っていること、民主的な議論を妨げるような経済産業省の審議会運営のあり方に厳重に抗議します。私たちはこれからも、気候正義を求める市民の声が国のエネルギー政策に反映されるよう、連帯と行動を続けます」

 

以上

 

 


国際環境NGO 350.org Japanへのお問い合わせ

伊与田昌慶(いよだまさよし)

国際環境NGO 350.orgジャパン・キャンペーナー
メールアドレス:[email protected]