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12月 13, 2018

【プレスリリース】化石燃料ダイベストメント:1000機関・900兆円超

プレスリリース

 

2018年12月13日
COP24、ポーランド・カトヴィツェ

 

世界中から1000以上の機関が、
石炭・石油・天然ガス関連企業への投資撤退を表明。
一方日本の3メガバンクは世界の脱炭素化の動きに逆行し、
石炭火力への融資、世界ランキング上位独占。

 

ダイベストメント(気候変動をつくり出してきた化石燃料関連企業への投資を引き揚げる世界的なムーブメント) は、今日重要な局面を迎えました。ダイベストメントの参加機関が1000を上回り、化石燃料から引き揚げを予定する機関の運用資産額が900兆円(8兆米ドル)に到達しました。

新たにダイベストメントを表明した1000番目の機関は、フランスの「預金供託金庫(Caisse des dépôts et consignations、以下CDC)」です。公共部門の年金と預貯金と投資の管理を行うCDCの運営資産は、1730億ユーロ(日本円で20兆円超)にもなります。 CDCは2019年以降、石炭関連が事業収益の10%以上を占める企業への投融資を打ち切ることを表明。これにより事実上、石炭産業上位200社がブラックリスト入りすることとなりました。

一方、国際NGOの共同調査によると、石炭火力発電への貸付を行う金融機関の世界ランキングにおいて、みずほフィナンシャルグループが1位、三菱UFJフィナンシャルグループが2位、ならびに住友三井フィナンシャルグループが4位と、日本3大メガバンクが最大のCO2排出源である石炭の主要資金提供者として浮き彫りになっています。投資部門において、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は石炭関連企業への投資額が世界第2位であることが確認されています。

ダイベストメント表明が1000件を上回ったことで、日本の金融機関をはじめ、今なお化石燃料投資を継続する世界中の大手金融機関に「化石燃料時代に終止符を打たなければならない」という強いメッセージを突きつけることとなりました。

このキャンペーンに新たに参加し、ダイベストメント表明を1000件以上に押し上げた機関には、下記の機関が含まれます
・アージェードゥゼール・ラ・モンディアル(AG2 la mondiale:1140億米ドル)
・オーストラリア・ビジョン・スーパー・ファンド(Australian Vision Super Fund:90億米ドル)
・ブランダイス大学(Brandeis University:9億9700万米ドル)

ポーランド南部カトヴィツェで開催中の国連気候変動サミットにおいて、これまでのダイベストメント運動の流れを概説した上、その表明件数が1000件を達成したことに焦点を当てた最新レポートを発表しました。

 



このムーブメントが起こした変化について
( メイ・ブーヴィ : 350.org事務局長 )

化石燃料産業に対する国際社会の意識を本格的にシフトさせること、そして同産業への財政支援を行う金融機関に市民自らが立ち向かうこと。これは、このムーブメントを立ち上げた2012年、わたしたちが思い描いた目標でした。 国連気候変動会議において各国の政府代表が交渉を前進させられずにいる一方、このムーブメントは、化石燃料関連企業の役割に対する人々の意識を変えた上、化石燃料が地中から採掘されることのないよう積極的に取り組んできました。

調査報告書によると、2012年以降、化石燃料関連企業からダイベストメントすることを表明した機関の数は急増、それに伴い撤退を約束された投資額も増え続けています。

世界中に拡大しインパクトをもたらすようになった、このムーブメントの大きさにただただ感嘆するばかりです。エクソンやシェルをはじめとした企業に対するダイベストメントの流れを構築したのは、市民主体の草の根運動です。ごく一般の人々が地元の機関に働きかけ、気候危機最大の要因をつくりだしてきた化石燃料産業に対し反対の立場を打ち 出すよう求めたのです。

 


化石燃料をめぐる投資基準について
( 古野真 : 350.orgアジア・シニアキャンペーナー )

日本そして最近ではアジア各国においても、銀行、生命保険会社、年金基金による投資決定が環境や社会に及ぼす影響について、人々はますます問題意識を持つようになりました。すでに石炭からダイベストメンとした上、石油と天然ガスからの引き揚げも表明した欧米の大手年金基金や保険会社に押されて、その圧力をついに日本企業も感じ始めています。2018年には、化石燃料企業への投資は倫理に反するというだけでなく、脱炭素社会への移行に伴う金融リスクであることが明確になったからです。

キャンペーンの次のステップは、アジアを中心としたダイベストメント表明を2000件以上にまで押し上げることです。 今後も、石炭開発に投融資する銀行に対して責任ある銀行業務を求めるため、個人および組織に気候変動を促進する事業を支援する銀行から預金を引き揚げることを積極的に訴えかていきます。その上で、化石燃料に投融資する銀行からダイベストしたお金を、万人のための再生可能エネルギー100%への公正な移行を促す投資に回すよう、企業や大学に対し、さらに大きく訴えかけていきます。

最新の国連報告書によると、パリ協定の目標の実現に向け、また科学的根拠に則って化石燃料依存を減らすために残された時間はあまりないことが分かっています。 気候変動を招く燃料の採掘が本業なら、そんな企業への資金援助からは手を引くべきです。  ダイベストメント戦略とは、「世界の気温上昇を1.5から2℃未満に抑えるために、新規化石燃料プロジェクトへの貸付も投資も建設も行うことはできない」というグローバルスタンダードを浸透させる、もっともインパクトのあるアプローチなのです。

 


ここ5年間の動向について
( ニコ・へリンガー :350.org グローバルキャンペーナー )

これは、金融的な流れであると同時に、道徳的ムーブメントでもあります。 5年前、ダイベストの表明は181機関、金額は5兆6000億円だったのに対し、今日その数は1000を超え、900兆円に達しています。

ダイベストメントの大きな前進に伴い、化石燃料を取り巻く形勢が変わりつつあること、そして『今こそダイベストすべきとき』というメッセージを、世界中の投資家に突きつけたのです。


ダイベストメントをめぐる世界の動きについて
( 古野真 : 350.orgアジア・シニアキャンペーナー )

誰でもダイベストメントに参加する簡単な行動を起こすことができます。例えば、化石燃料産業に投融資する機関からお金を引き出すことです。 銀行に預けたお金大学が管理する授業料自治体や中央政府が管理する年金基金などから、汚染原因をつくりだす産業に注ぎ込まれている資金を止めた上、地域の再生可能エネルギーへの投資に回すといった、より良い選択肢を促すのです。 世界各地で起きているこの動きは、日本をはじめとしたアジア各国にも広がりつつあります。

調査報告書LINKによると、全大陸で多数のダイベストメントが表明されています。倫理的理由から教育機関や宗教団体を初め、幅広い機関がダイベストメントに積極的なことがわかります。また政治に目を向けると、アイルランドやノルウェーの政府系ファンド、ニューヨークやパリをはじめとした自治体によるダイベストメントなどの影響力のある取り組みが見られます。

 


今後の化石燃料産業へのアプローチについて
( メイ・ブーヴィ : 350.org事務局長 )

化石燃料は、歴史的に最も力を持った産業のひとつでした。 その影響力は政界にまで及びます。この国連サミットも例外ではなく、彼らは会場でレッドカーペットで招待されるほど手厚くもてなされています。 このムーブメントは、気候の破綻を招く燃料を売り、利益を上げる化石燃料産業に対し、「我々は見て見ぬ振りなどしない」という明確なメッセージを送っています。 彼らにとって、これは収益の問題だけでなく、ブランド価値そのものの問題でもあります。 このムーブメントの大きさからわかる通り、気候変動を深刻化させる原因を販売、さらには投資も許されることではありません。

 


 

350.org Japan
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