2026年4月10日

【声明】日本政府に「脱化石燃料ロードマップ」策定プロセスへの参加を求めます

声明

2026年4月10日
国際環境NGO 350.org Japan

 

日本政府に「脱化石燃料ロードマップ」策定プロセスへの参加を求めます

 

2025年11月、ブラジルで開催された国連会議COP30において、「化石燃料からの脱却」を着実に進めていくためのロードマップ(工程表)づくりをめざすことが呼びかけられ、80以上の国が賛同したと報じられました。私たちは、石原宏高環境大臣、赤澤亮正経産大臣、 高市早苗首相、そして日本政府に対して「脱化石燃料ロードマップ」策定のプロセスへの積極的な参加と合意への貢献を求めます。

化石燃料依存の問題は、かつてないほどに顕在化しています。イスラエルと米国によるイラン攻撃をめぐる動向は、化石燃料資源を海外に依存するリスクとエネルギー安全保障上の脆弱性を改めて示しています。化石燃料を主原因とする気候危機は、記録的な気候災害を招き、日本においてコメを含む農業・漁業の脅威となりました。海面上昇は、沖ノ鳥島など日本の領土や領海・排他的経済水域の将来にも大きな影響を与えます。激化する猛暑によって、年間約1万人が熱中症で救急搬送されるとともに、熱中症死者数の7倍とも言われる熱暑関連死を招いています。

日本を含むすべての国は、COP28において、2030年に向けて「再生可能エネルギーの設備容量3倍」や「省エネルギー改善率2倍」、「化石燃料からの脱却」といった目標に合意しました。2025年には世界の再生可能エネルギー発電が初めて石炭火力発電を上回ったことに象徴されるように、化石燃料の市場は縮小し、再生可能エネルギーの市場が拡大しています。化石燃料から再生可能エネルギーへの移行は、化石燃料輸入による国富流出の抑制、省エネ・再エネ産業の成長によるクリーンな雇用の創出、大気汚染による健康リスクの低減、大幅なCO2削減など、日本の「国益」にとって複合的な便益があります。

2020年には衆議院と参議院の両院で「気候非常事態宣言」が決議されました。「我が国の経済社会の再設計・取組の抜本的強化を行い、国際社会の名誉ある一員として、それに相応しい取組を、国を挙げて実践していくことを決意」しています。今こそ日本政府はこの決意を思い起こすとともに、次のことに取り組むよう要請します。

 

  • グローバルな化石燃料の段階的廃止ロードマップの策定に向けたプロセスに積極的に参加し、議論に貢献すること(例えば、2026年4月にコロンビアのサンタマルタで開催される「化石燃料からの公正な移行に関する国際会議」への参加を含む)。
  • 国内のすべての化石燃料の生産および利用について、明確な期限を伴う段階的廃止の目標を約束し、そのためのロードマップの策定をめざすこと。
  • 国際協力と十分な気候資金を確保し、労働者、地域社会、脆弱な国々の権利を保護しながら、公正な移行を支援すること。

 

以上

 

 


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伊与田昌慶(いよだまさよし)
国際環境NGO 350.org ジャパン・キャンペーナー
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