Banking on Climate Change

2015年の12月12日、195ヵ国が世界の平均気温の上昇を1.5−2℃未満に抑えることを目標に掲げた歴史的な合意「パリ協定」を採択しました。CO2排出量世界第二位のアメリカがパリ協定離脱を表明した今、世界、そして日本の民間銀行は自らの社会的責任を改めて理解し、「1.5-2℃目標」の実現に向けた取り組みを加速させなければなりません。

パリ協定を守るのは銀行の責任

「1.5−2℃目標」の達成に向けた銀行の取り組みが現在世界中で進んでいます。パリ協定以降、科学者などの調べで世界の平均気温の上昇を1.5ー2℃未満に抑えるには、新規の火力発電所の建設が一切許されないことがわかりました。これがパリ協定と並び大きな追い風となり、近年、ヨーロッパ、イギリス、アメリカなどの主要民間銀行が次々と炭素集約度の高い化石燃料産業への投資や貸出を減少させる方針を発表しています。

しかし日本政府がパリ協定に批准して以降も、日本の銀行は最もCO2の排出量の高い石炭、石油、天然ガスの化石燃料産業へ巨額な資金提供を続けています。

日本のメガバンクは最低ランク

6月22日に発表された、世界37の民間銀行の気候変動リスクの対応を格付けする最新の調査報告書「化石燃料ファイナンス成績表 2017」(Banking On Climate Change 2017)では、日本の三大メガバンクの気候変動リスクへの対応が世界最低ランクだと格付けされています。

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同報告書に登場する米国、カナダ、ヨーロッパ、中国、オーストラリアなどの主要銀行と比べて、日本のメガバンクの格付けが低い根拠として、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行が世界の「脱石炭」の流れに逆行し、化石燃料の中でも最もCO2排出量の高い石炭産業への貸出を近年増加させたことが挙げられています。さらに、環境負荷が極めて高い化石燃料関連企業による社会や環境への影響を監視・抑制するための明確な対策や方針を持たず、様々な社会問題を引き起こしているプロジェクトに日本の銀行が関与していることを調査は明らかにしています。

Mizuho が No.1

日本の銀行のずさんな気候変動リスクへの対応を問題視した環境団体は、上記のレポートで化石燃料への融資を近年特に増加させたことが明らかになったみずほ銀行の環境・社会・ガバナンス(ESG)への取り組みを評価する「みずほフィナンシャルグループ2016年ESG評価レポート」を作成しました。

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このレポートで、みずほフィナンシャルグループ傘下のみずほ銀行は2011-2016年の間日本の民間銀行の中で、国内化石燃料関連企業への貸出・引受総額と原発関連企業への貸出どちらもNo.1であったことが明らかにされています。さらに、Banking On Climate Change2017の調査結果では、みずほ銀行が日本の民間銀行の中で唯ー、パリ協定採択以降にもかかわらず、化石燃料関連企業への融資を増加させたことがわかりました。みずほは2014年から2016年の3年間で、温暖化の最大の原因である化石燃料への国際的な融資を60も増加させています。

無責任銀行ジャパン大賞2017:みずほ銀行!

このレポートの結果を受け、上記した環境団体有志は、みずほ銀行に対して気候変動や人権に配慮した資金提供を実施するための明確な取り組みを求めるアクションを、6月23日(金)に開催されたみずほフィナンシャルグループの株主総会前で行いました。アクションの一部として開催した「無責任銀行ジャパン大賞2017」では気候変動リスクを無視した融資を続けるみずほ銀行を表彰する儀式が行われ、みずほ銀行に「化石燃料部門No.1」と「森林破壊リスク商品No.2」と書かれた二つの受賞プレートが贈呈されました。二つのプレートは、みずほ銀行が日本の銀行の中で国内化石燃料企業への貸し出しが日本一であったこと、そして森林破壊リスク商品を扱う企業への貸し出しが日本で二番目に多かったことを「表彰」しています。

またその他にもアクションの一部として「MIZUHO:STOP BANKING ON CLIMATE CHANGE」と書かれたバナーを掲げた抗議行動が行われ、同時に株主総会へ参加する株主の方々へみずほ銀行が抱えるリスクの高いプロジェクトを取り上げた「みずほ2016年ESG評価レポート」が配布されました。

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地球にやさしい銀行を選ぼう

350.org Japan は、日本の銀行に継続して環境に配慮した投資・融資方針を取り入れることを求めるキャンペーン、My Bank My Future を展開しています。銀行に環境に配慮した資金の運用を求めるために、ぜひ以下のいずれかのアクションかイベントにご協力・ご参加ください。市民の声を銀行に届けることによって、民間銀行の環境や人権に対する取り組みを強化し、より公平で安全な未来を実現することができます。  

より詳しい情報は以下のダウンロード先からご覧になって下さい。

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ダウンロード先:

1)プレスリリース:日本の銀行グループは気候変動リスクに未対応(6月22日)

2)「みずほフィナンシャルグループ2016年ESG評価レポート」

3)「化石燃料ファイナンス成績表 2017」(Banking On Climate Change 2017)要約