国連気候変動政府間パネル(IPCC)は、世界の平均気温が産業革命前と比べ1.5℃上昇した場合の地球環境や人類への影響をまとめた特別報告書を発表しました。

 

なぜ「1.5℃」?

2015年に制定された温暖化に関する国際条約パリ協定には「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力」という目標が掲げられています。先日発表された報告書は気温上昇を1.5℃に抑えた方が地球環境や人類にとって著しく好ましいことを指摘しています。気温上昇を1.5℃に抑えることによって温暖化の影響やそれに伴う貧困の危機にさらされる人が数億人減るということが明らかになっています。

 

地球の気温上昇が1.5℃以上進んだ場合、大雨や熱波などの異常気象の深刻度および頻度が高まるといわれています。今年の夏、日本各地で観測された記録的な集中豪雨や最高気温の記録更新などの極端な異常気象がまさにその兆候です。

 

気温上昇を1.5℃未満に抑えることは地球上の生命すべてにかかわる重要な課題です。

 

そこで、10月5日(金)に気温上昇を1.5度に抑えることは地球上の生命体にとってどれほど重要なのかを発信する「1.5℃=LIFE」ライトアップアクションを国連大学前で行いました!イベントでは数十人の参加者とともに「1.5℃=LIFE」と記されたサインを掲げ、気温上昇を「1.5℃」に抑えるということの重要性を訴えました。

当日、世界に向けて発信したい「1.5℃の重要性」に関するメッセージを参加者の方に書いていただきました。

 

1.5℃目標を達成するには?

1.5℃目標達成には世界のCO2排出量を2030年までに2010年比で45%削減、そして2050年までに排出量を「実質ゼロ」にする必要があるとされています。つまり、化石燃料に依存してきた現在のエネルギーシステムや経済から100%自然エネルギー社会への急速な転換が必要です。

安全な未来を守るために、世界中で新規の石炭や石油などの化石燃料プロジェクトの中止を求める市民活動が展開されています。350.orgはそれらの世界各国のコミュニティの話を紹介する資料「People’s Dossier on 1.5℃(1.5℃目標に向けて動く世界の市民)」をまとめました。海面上昇のリスクにさらされている太平洋の島国諸国の人々から石炭による健康被害に抗うアフリカのコミュニティまで化石燃料プロジェクトの停止を求め、100%自然エネルギー社会の構築に向けて動いている、まさに世界中の様々なストーリーが含まれています。

日本からは、神戸における新規の石炭火力発電所建設計画を抗議している市民団体「神戸の石炭火力発電を考える会」の活動が取り上げられています。

これからのブログを通じて、世界各国でどのような活動・動きがあるのかを紹介していきます。ぜひご一読ください。