昨年パリで合意された地球温暖化対策を進める新たな国際的枠組み「パリ協定」への日本による批准が、昨日ついに衆議院の本会議で承認されました。これによって、日本は世界に大きく遅れをとるかたちで、11月4日に発効した「パリ協定」の103番目の締約国となりました。しかし、批准が遅れた日本は、7日よりモロッコの首都マラケシュで開催されている COP 22で行われるパリ協定のルールを作る第1回パリ協定締約国会合には残念ながら「オブザーバー」という形での参加となってしまいました。

そんな中、パリ協定が発効した11月4日に、350.org Japan は国連大学サステナビリティ高等研究所(UNU-IAS)および地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)との共催で「ACT FOR 1.5℃」アクションを国連大学前で行いました。「ACT FOR 1.5℃」は、パリ協定の中で定められている産業革命前と比べ世界の平均気温の上昇を「1.5度未満に抑える」という目標を達成するために、世界各国が迅速な行動を取るよう呼びかけるメッセージです。

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アクションのために集まってくれた参加者にはハートや矢印の形をしたメッセージカードを渡し、「未来への想い」そして「気温上昇を1.5℃未満に抑えるために必要なアクション」を自分達で書き、掲げてもらいました。

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アクションには、みんなが大好きなアースマンも駆けつけてくれました!

パリ協定は合意から、1年未満という異例の速さで発効しました。それは、米国や中国をはじめ、多くの国々がどれほど地球温暖化問題を危惧しているかを表しています。イギリスは2025年までに石炭火力発電所を全て閉鎖することを発表していて、スウェーデン政府は25年以内に電力を全て再生可能エネルギーで賄うことを方針として立てています。

10月に発表された Oil Change International による調査でも明らかになったように、パリ協定により定められた「1.5℃」目標を実現するには、世界は直ちに石炭や石油などの化石燃料への依存を断ち切り、クリーンエネルギー社会への迅速な移行を進めなければなりません。

日本政府は国内での石炭火力発電所建設および海外での石炭開発そして石炭火力発電技術の輸出に巨額な資金提供をしています。石炭は化石燃料の中でも、温室効果ガスの排出量が極めて高く、かつ粉塵やPM 2.5 の原因となることから、「最も汚いエネルギー源」だと言われています。「パリ協定」の締約国として、「1.5℃」目標への責務を果たすためには、日本政府は石炭技術の推進を見直す必要があります。

「パリ協定」を実現するのは各国政府だけではありません。一人の消費者としてこの問題に貢献する方法があります。それは、持続可能なお金の流れを構築することです。

地球温暖化問題への対策が大きく遅れているのは日本の政府だけではありません。私たちがお金を預けている銀行などの民間金融機関が地球温暖化の主な要因である化石燃料や持続可能でない原発関連企業へ多額な投資・融資を行っていることが350.org Japan による調査で明らかになりました。

そこで、地球環境を守るお金の流れをつくりあげるためのツールとして350.org Japanが提案するのがMY BANK MY FUTUREキャンペーンです。MY BANK MY FUTUREキャンペーンは、パリ協定の実現を支援するような環境に配慮した投資・融資を行っている金融機関を探し出し、応援するものです。一人の消費者にもできるのは、化石燃料および原発関連企業への投資・融資を行っている銀行から、そのような投融資を行っていない銀行へ預金口座を切り替えることです。社会と環境に配慮したお金の使い方を行う銀行を選ぶことで、地球温暖化問題に取り組む新たな方法として参加することができます。

私たちのキャンペーンに参加してみませんか?