Water is Life
現在、アメリカ合衆国ノースダコタ州で、「ダコタ・アクセス・パイプライン (DAPL)」と言う石油パイプラインの建設に対して、歴史上最大のネイティヴ・アメリカンによる平和的抗議活動が起きています。
石油パイプラインの建設中止を訴える彼らが守ろうとしているのは、母なる地球、先住民の誇り、そして平和な暮らしです。環境正義や人権の問題を象徴するこのムーヴメントに、いま世界中の人々がひとつになって参加しています。
このプロジェクトは、日本の私たちも無関係ではありません。ダコタ・アクセス・パイプラインには、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、などの日本の銀行が巨額の融資を行っています。私たちが銀行に預けたお金が関わっているのです。
photo: rob wilson photography
いまネイティヴ・アメリカンが率いる大規模な抗議活動に、世界中から視線が集まっています。
「ダコタ・アクセス・パイプライン(DAPL)」とは、ノースダコタ州からイリノイ州までを繋ぐ全長約1900kmの石油輸送パイプラインで、総工費38億ドルのプロジェクトのことです。この計画は天然資源をアジアやヨーロッパに売ることを目的とし、自国のエネルギー自給率を引き上げるほか、地域に莫大な貢献と経済効果を生むと言われています。
一方で、スー族の言葉で ”友人” を意味する “ダコタ” を称したパイプラインは、地元先住民スタンディングロック・スー族の居留地に隣接するミズーリ川を通過します。
パイプラインの建設は、スー族が長い間大切に守ってきたこの「命の水源」を脅かし、彼らの先祖が眠る聖なる土地を破壊します。また、気候変動を引き起こす化石燃料を新たに掘り起こすこと自体、とても危険な行為です。
この計画に反対するため、北米中の先住民たちを中心に多くの人々が立ち上がっています。
建設ルート近くに設営されたキャンプサイトには、300以上の部族、環境活動家やジャーナリストなど数千人の人々が共に暮らしながら、心をひとつにしています。
平和な祈りの中で反対を唱える「水の保護者」たちに武装警察は暴力で対抗し、催涙スプレーや先住民に噛みつくようにしつけられた警察犬、棍棒、ゴム弾などを使い攻撃を繰り返しています。
これまでに数百人が負傷し、「不法侵入」などで不当に逮捕され、現地はいま最も危機的な時を迎えています。
photo: rob wilson photography
それでも、スタンディングロックの人々は決して屈することはありません。
彼らが守ろうとするのは、500年以上に渡って今もなお迫害され続ける、先住民の人権と崇高な尊厳。
そして未来の世代と、母なる地球です。
太古の時代から自然と共存する暮らしを営んできたネイティヴ・アメリカンは、元来の環境活動家です。
地球温暖化の危機に直面するわたしたちは、今こそ彼らの姿から学び、行動する時に立たされています。
このプロジェクトは事業主「エナジー・トランスファー・パートナーズ」を代表とする4つのグループ企業によって開発されます。全部で38の銀行がそれらの企業に巨額の出資をしており、その中には日本の金融機関も含まれています。
みずほ銀行が5億9千万ドル(約661億円)、三菱東京UFJ銀行が5億4千8百万ドル(約614億円)、住友三井銀行が2億6千5百万ドル(約297億円)、そして日興証券が1億2千万ドル(約134億円)の投融資を行っています。合わせると、日本の金融機関がダコタアクセスのプロジェクトへの融資額の約半分を出しています。参照記事(英文)・(和文)
スタンディングロックの活動家たちは、世界中のサポーターに、DAPLに出資する金融機関への働きかけと、銀行口座の解約を呼びかけています。
DAPLに出資している銀行から引き上げ、環境に優しい銀行へ口座を切り替えることが、スタンディングロックへの支援と、ひとりの意思表明となるのです。
そんな彼らの呼びかけに応え、私たちにできることがあります。
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1)伝える
- 「私は環境に優しい銀行を選びたい」My Bank My Future宣言に署名する。
- 銀行に直接電話をする、メールを送る、手紙を書く。
三菱東京UFJ銀行本店
〒100-8388
東京都千代田区丸の内2-7-1
03-3240-1111(本店)
意見・苦情専用ダイヤル 0120-309-333
意見フォーム
http://www.bk.mufg.jp/voice/
みずほ銀行本店
〒100–8176
東京都千代田区大手町1–5–5(大手町タワー)
03–3214–1111
意見・苦情専用ダイヤル 0120-324-221
意見フォーム
https://www.mizuhobank.co.jp/info/goiken/index.html
2)地球に優しい銀行を選ぶ!口座を乗り替える
My Bank My Future キャンペーンは、化石燃料や原発関連企業にお金を流していない、「地球にやさしい銀行」選びを促す、誰もが参加できるダイベストメント・キャンペーンです。地球にやさしい銀行を選ぶと、社会のお金の流れは変わり、持続可能な未来に貢献することができます。公式ウェブサイトにてキャンペーンサポーターになる。
3)お友達に広める
この記事をシェアする。
かつてないこのムーヴメントの中で、世界中で「ダイベストメント」が広く呼びかけられ、すでに多くの参加者がアクションを起こしています。
4)フォト・アクションに参加する
【お知らせ:12月1日(木)#NODAPL グローバル・アクションデー】
今週12月1日(木)はスタンディングロックとの団結を示すグローバルアクションデーです。
これは現地が呼びかける世界規模のDAPL反対運動の日で、前回の11月15日にはアメリカ全州と海外で数千人以上が集い、その熱い盛り上がりがスタンディングロックに寄り添う人々の固い結束を証明しました。
世界中の団体がこの日に出資銀行へ次のようなメッセージを送ります:「DAPLへの投資を引き上げ、ダイベストメントをして下さい。」
日本からも団結を表明するため、350.org JapanではGreenpeaceと合同でフォトアクションを開催します。
みなさんもぜひご参加ください。
photo credit: change.org
イベント案内
【日時】平成28年12月1日(木)8時~8時半
【会場】芝公園・ https://matome.naver.jp/odai/2139450603344998701
【事前申込制】参加希望の方は [email protected] までメールをお送り下さい
【アクセス】都営三田線・都営大江戸線 芝公園駅徒歩2分(A4出口集合)
【共催】350.org Japan, グリーンピースジャパン
【お問い合わせ】350.org Japan 代表 古野真 070−2793−3648