2月17日金曜日、ダコタ・アクセス・パイプライン(DAPL)建設プロジェクトの投融資に関わる日本の三大銀行(みずほ銀行、東京三菱UFJ銀行、住友三井ファイナンシャルグループ)に対し、同プロジェクトからのダイベストメント(投資撤退)を求める11300人の署名を提出するため、この問題に関心のある市民によるグループが、日本のアイヌ民族の方やニュージーランドのマオリの人とともに、 東京に集まった。

東京での署名提出は 、DAPLに関わる17の米国や国際的な銀行に対し、同プロジェクトからの投融資撤退(ダイベストメント)を求める書簡を提出するという草の根レベルの多数の団体による国際的な連帯運動と同時に行われた。

DAPLをめぐる戦いの最前線にいる、建設ルート近くの居留地に住むアメリカ先住民スタンディングロック・スー族は、一連の緊迫した状況に立たされている。2月初旬、トランプ政権下で発出されたダコタ・アクセス・パイプラインとキーストーンXLパイプラインの建設を進めることを求める大統領令のもと、アメリカ陸軍工兵部隊が、プロジェクトに関する環境調査を中止し、建設を完了させる許可を与えると発表した。2月22日には、石油パイプラインの建設に反対し、現地にキャンプを設営して抗議運動を続けてきた人々に対して行政側による強制的な取り締りが始まった。

状況は過酷になる一方ですが、スタンディングロックの人々と彼らの清潔な水への権利を支持することを表明する投資家も現れている。特筆すべきは、アメリカで最も大きな公的年金基金の一つであるカリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)が、主要なアメリカの銀行と国際的な銀行に対し、その他100以上の機関投資家とともに、DAPLのルート変更の努力を支持するよう呼びかけたのだ。この呼びかけを行った、機関投資家の運用資産総額は6,530億米ドル(約74兆円)で、決して少額ではない。CalPERSなどの機関投資家がこういった重要な市民運動を積極的に受け入れているということは、現在も運動に関わっている人々へ希望をもたらしたであろう。

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上:みずほ銀行の前で(井口康弘)

アイヌ民族とマオリ民族の交流を推進するアオテアロア・アイヌモシリ交流プログラムの代表である、シマダ・アケミさんは、東京での署名提出に参加した。署名提出にあたり、シマダさんは水の重要性について強調し、「水はアイヌにとっても、すべての生き物が生きていく上で必要なものです。だからこそ、私たちアイヌは、日本の銀行にダコタ・アクセス・パイプラインから撤退するように申し入れているのです。」

署名提出者の一人、オカザキ・タカさんは、銀行が説明責任を果たし続ける上でメディアが果たす役割について強調した。メディアは「みずほ、三井住友、三菱東京UFJの広報部と連絡を取り、この署名についてどのように対応するのかといった簡単な質問を聞くべき」であると話した。

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上:みずほ銀行前で(井口康弘)

パイプライン建設の人道的・環境的な影響に深い懸念を表明するために、異なった背景を持つ人々が集まることはとても美しく、素晴らしいことだ。情報を持つ市民の力が変化を生み出すということを強く信じさせる出来事である。

これらの銀行やその他の金融機関が投融資を行っている問題のあるプロジェクトを取り上げ、そのプロジェクトの持つ影響を自分ごととして捉え、 気候変動に起因する戦いに対して向き合うことが、世界中に広がる問題の解決へと一歩近づく一つの方法と言える。これらのプロジェクトは私たち一人一人に、個人的にも集合的にも影響を与えるものでもある。環境、人道、社会問題などが加速する中で、気候変動の問題に対してまったく関与がない人はいないだろう。点と点をつなぎ、私たちの生きる権利を脅かす問題に対して何ができるのか考えることを促すのが、私たちの社会的義務だ。

スタンディングロック・スー族への人権侵害は、直接日本の銀行の投資活動に関係があある。DAPLに投資している全ての日本の民間銀行が、金融機関にプロジェクトファイナンスの環境社会リスクの特定・評価・対処を求めるフレームワークである赤道原則に署名している。先住民族の生活への深刻なダメージの可能性や地元の抗議者への暴力的な取り締まりは、赤道原則に反する行為だ。

東京でのアクションをスタンディングロックでの運動につなげることは、私たちが本当の変革を求めて声を上げることを後押しする力と情熱を与えてくれる。

個人としてできることもある。これらの銀行へダコタ・アクセス・パイプラインへの投融資を止めるようにインターネットより簡単にメッセージを送ることができる。もちろん直接電話をしたり、手紙を書くことも可能だ。ぜひ銀行にあなたの一声を。

みずほ銀行本店 

〒100–8176

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03–3214–1111

意見・苦情専用ダイヤル 0120-324-221

意見フォーム https://www.mizuhobank.co.jp/info/goiken/index.html

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三菱東京UFJ銀行本店

〒100-8388

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03-3240-1111(本店)

意見・苦情専用ダイヤル 0120-309-333

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三井住友銀行本店

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0120-20-3111

意見フォーム http://www.smbc.co.jp/cs/form01.html

上:署名提出の様子をまとめた動画