インドとバングラデシュ沿いに広がる40万ヘクタールのシュンドルボン国立公園は、世界最大のマングローブ林です。この国立公園はベンガルトラの最大の生息地であり、イラワジ川やガンジス川のイルカなど、他の絶滅危惧種も保護しています。さらに、マングローブ林はシュンドルボンおよびその近くに住む400万人の人々を激しい暴風雨などの災害から守る、「防災の森」として極めて重要な役割を果たしています。
シュンドルボン国立公園は、1987年に世界遺産として登録され、生物圏保護区に指定されています。 生態系を維持し、この地域に住む人々の生活を向上させるための数十年にわたるさまざまな管理の取り組みが実施されてきました。
Bangladesh-India Friendship Power Company (Pvt) Ltd.(バングラデシュ・インド友好電力会社)の下で、NTPC India(インド国営火力発電公社)は、シュンドルボンの緩衝地帯から4キロ離れたところに1320メガワットのランパル石炭火力発電所の建設計画を進めています。この石炭火力発電所は、ポシュレ川から毎日、大量の水を汲み上げ、発電機の冷却後、汲み上げた水の役5倍の汚水を排出し、マングローブが頼る水を汚染し、水のバランスを変えてしまいます。 また、この発電所を稼働させるために、年間472万トン(大型ダンプカーおおよそ142万台)の石炭を輸入する必要があります。この量が、狭い水路を通って船で輸送されため、ポシュレ川は石油や石炭流出のリスクや騒音公害にさらされます。
石炭開発から世界遺産のシュンドルボン国立公園を守るため、この国立公園を危機遺産リストに追加するようにユネスコに求める請願書への署名を350.orgやFriends of the Earth U.S.などの国際環境団体が呼びかけました。5万人以上の署名者が集まり、来週イスタンブールで会合を開かれる世界遺産委員会に合わせて請願書はユネスコに今週提出されました。
住民の生活や健康および絶滅危惧種の生態環境を脅かすこの石炭火力発電所計画への資金が行わないように、私たちはインド輸出入銀行 (Export-Import Bank of India)に働きかけ、ランパル石炭火力発電所の建設計画に反対し続けます。