英国王立としては最大規模の医学専門機関であるロイヤル・カレッジ・オブ・ジェネラル・プラクティショナーズ(RCGP)は、気候変動の主原因である化石燃料への投資を停止する決断を下しました。
52,000名の会員をもつRCGPは、「UK Health Alliance on Climate Change(気候変動に対応する英国の医療機関連盟)」の主要メンバーであり、長年にわたり気候変動が環境にもたらす影響や、それが患者の健康にもたらし得る悪影響について指摘してきました。
同カレッジの会長を務めるヘレン・ストーク=ランパード教授は、次のようにコメントしています: “気候変動は、患者の健康と福祉にとって明確なリスクです。もしこのまま改善されなければ、2011年から2154年にかけ、英国の損失生存年数(疾病などにより失う命の年数)は、およそ5000万年にも上ると予測されています。
“毎年冬になると、英国は国民医療サービス(NHS)を揺るがす危機に見舞われてきましたが、今後はさらに、ますます暑くなる夏にもこの危機を迎えることになりそうです。そうなると、もはやNHSは対応できなくなってしまいます。
“過度の熱や日光にさらされることで、脱水症や熱性疲労をはじめとした様々な症状に見舞われる可能性が高まります。こうした症状は、高齢者や幼い子ども、病弱な人、深刻な学習障害を持つ患者など、もっとも脆弱な患者に顕著に現れることになるでしょう。 さらに高温が続くと、心臓・腎臓・肺の疾患を悪化させる恐れがあります。
“地球にとって良いことは、往々にしてわたしたちの患者にとっても良いことです。NHS全体として、またわたし自身、このカレッジが、気候変動の原因であることが明らかな化石燃料企業への投資をやめる決断を下したことを喜ばしく思います。
さらに同カレッジの名誉会計を務めるスティーブ・モウル博士は、次のようにコメントしています。 “この決定が、カレッジの評議会で承認されたことを大変嬉しく思います。 化石燃料企業へのささやかな投資から得られる恩恵は、気候変動が患者の健康に及ぼし得る悪影響にはるか及ばないという思いに至りました。”
( 注記 )
ロイヤル・カレッジ・オブ・ジェネラル・プラクティショナーズ(RCGP)とは、患者のためのケア向上に努める52,000名以上のかかりつけ医からなるネットワークです。 RCGPは、高水準の一般医療行為の維持・推進に努め、また教育、研修、研究、臨床基準において、かかりつけ医の声を反映させることに努めます。
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