2016年10月27日

世界医師会が化石燃料関連企業からの投資撤退(ダイベストメント)を呼びかける

<プレスリリース>

世界医師会が化石燃料関連企業からの投資撤退(ダイベストメント)を呼びかける

2016年10月27日

350.org Japan

世界医師会は22日、台湾・台北で開かれた総会で日本医師会を含む、加盟している112の保健機関に化石燃料関連企業への投資から資金を引き揚げ(ダイベストメント)、引き揚げた資金を再生可能エネルギーへと再投資するように呼びかけました。

化石燃料関連企業からの投資撤退(ダイベストメント)を呼びかける世界医師会の声明を用意した委員会の委員長を務めた韓国医師会国際担当ドン・チュン・シン氏は次のように語りました。(*1)

「気候変動や異常気象による影響は人の健康に大きなかつ時に甚大な影響を与えていることが世界から集められた証拠により確証されました。〔中略〕化石燃料の燃焼に伴い発生する大気汚染は人々の生活の質を下げ、疫病、経済的損失や医療制度への負担増加などの大きな重荷を課すことを分かっています。世界保健機関によると、大気汚染が原因で、2012年に約700万人が亡くなっています。人口密度の高い都市では測定可能な空気中の細かいほこりは推奨基準より50倍高いです。気管支喘息、肺および心臓疾患による健康上への影響は無視できないものです。世界は電力供給を再生可能エネルギーの事業者へと移行しなければなりません。

世界の医師は過去にタバコ業界への投資に対して声高に反対しました。タバコ業界が喫煙の健康への悪影響を隠蔽したつづけたように、エクソンモービルなどの企業から成る化石燃料業界は利益を図るために、化石燃料の燃焼に伴う健康被害や悪影響について何十年も大衆を欺いてきました

2014年の6月にイギリス医師会は世界初の保健機関として、化石燃料関連企業からのダイベストメント(投資撤退)を発表しました。それに続いて、カナダ医師会、王立オーストラリア内科医師会(Royal Australasian College of Physicians)、ガンダーセン・ルター・ヘルス・システム(Gunderson Lutheran Health System)、やさしい医療の会(HCWH; Health Care Without Harm)、SSM Health(カトリック系保健機関)なども同様な発表をしています。これらの保健機関は化石燃料関連企業から「ダイベストメント」を表明した600の多岐にわたる分野の組織や団体の一部です。(*2)

同じ総会で、次期会長に日本医師会の横倉義武会長を選出されました。世界医師会の次期会長として、横倉会長にこの化石燃料関連企業からの投資撤退を呼びかける声明を支持し、日本医師会も同じような姿勢をとるように働きかけることを350.org Japanは期待します。


注:

*1 World Medical Association: Health Organisations urged to divest from Fossil Fuels, 22 October 2016

*2 List of fossil fuel divestment commitments


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