2019年5月16日

【プレスリリース】三菱UFJフィナンシャルグループ、脱石炭融資へ向けて前進

プレスリリース

 

2019年5月16日

国際環境NGO 350.org

 

三菱UFJフィナンシャルグループ、脱石炭融資へ向けて前進

〜環境NGO、実効性を懸念〜

 

三菱UFJフィナンシャルグループ(以下、MUFG)が石炭ファイナンスに関し融資および引受に適用される新しいポリシー「MUFG環境・社会ポリシーフレームワーク」を発表したことを受け、気候変動問題に取り組む国際環境NGO 350.orgは以下の声明を発表した。

 

350.org東アジアファイナンス・シニアキャンペーナーの古野真は、「私たちは、石炭・石油・ガス関連事業への資金提供をやめるという投資家や銀行からの新たな宣言を歓迎します。本日の発表は、世界中の人々が化石燃料時代に終止符を打ち気候変動の危機への真の解決を求めていることに対応したものです。」と述べました。

 

今日、私たちは、石炭火力発電事業への新規ファイナンスを行わないことを含め、持続可能な開発目標(SDGs)を達成するために持続可能な財政目標を採用するという日本最大で世界第5位の銀行であるMUFG(のコミットメントを歓迎します。しかし、国連事務総長のアントニオ・グレーテレスが要請しているように、こうした公約には石炭火力発電事業向け融資の全面的な禁止を盛り込むべきです (LINK)。

 

実際、MUFGのポリシーの改訂には無視できない例外規定が設けられています1。こうした例外規定は、運用次第では、石炭火力発電事業向けの与信の継続を可能とするため、石炭火力発電事業向け融資を制限するとした宣言自体の実効性に疑問符を残すことになります。このような例外規定を受け入れることはできません。また、このような限定的な融資制限は金融部門の規制当局、国連、顧客、株主、または世界中の人々が期待するものではありません。

 

プロジェクトファイナンスとともに石炭火力発電開発事業者へのコーポレートファイナンスをも全面禁止するといった、より踏み込んだ対応が必要です。また、同社が発表した鉱業(石炭)セクター向けの与信方針も、自然環境の保全および温暖化対策上、これ以上の新規の炭鉱開発や拡張工事をするべきではないとした科学的な要請を満たしていません。

 

もしMUFGが持続可能なファイナンスに真摯に向き合うのであれば、例外条項を設定せず、石炭火力発電向け資金提供の全面的な停止とパリ協定で制定された科学的目標に沿い、二酸化炭素排出量の多い化石燃料産業からの段階的な撤退を宣言すべきです。

 

1「但し、当該国のエネルギー政策・事情等を踏まえ、OECD 公的輸出信用アレンジメントなど の国際的ガイドラインを参照し、他の実行可能な代替技術等を個別に検討した上で、ファイ ナンスを取り組む場合があります。 また、温室効果ガス排出削減につながる先進的な高効率発電技術や二酸化炭素回収・貯留 技術(Carbon dioxide Capture and Storage, CCS)などの採用を支持します。」としている。

 

以上。

 

 

MUFGのポリシー全文はこちら:

 

350.orgおよびパートナー団体による日本の脱炭素ファイナンス・キャンペーンに関する情報はこちら:http://www.nocoaljapan.org/

 


 

お問合せ

350.org Japan広報担当 関([email protected])携帯:090-4752-7020