2017年10月6日

【プレスリリース】350 Japan 国内大手7銀行の「パリ協定」に整合した銀行業務を求める要請書及び賛同署名への回答を発表

【プレスリリース】

2017年10月6

350 Japan 国内大手7銀行の「パリ協定」に整合した銀行業務を求める要請書及び賛同署名への回答を発表

国際環境NGO「350.ORG」の日本支部(350.org Japan(以下350 Japan))は9月22日に提出した「パリ協定」に整合した銀行業務を求める要請書と、これに賛同する一般預金者の署名1,000人分以上に対する国内大手7銀行からの回答を発表しました。

要請書と署名を提出した銀行は以下の通りです。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下MUFG)、みずほ銀行、三井住友フィナンシャルグループ(以下SMFG)、三井住友信託銀行、りそな銀行、ゆうちょ銀行、農林中央金庫

350 Japanは各銀行に問い合わせを行い、署名を受け取ったという確認はとれたものの、要請書に関するコメントをいただけたのはMUFG、SMFG、みずほ銀行、三井住友信託銀行、農林中央金庫の5行です。残り2行、りそな銀行、ゆうちょ銀行からは10月6日の期限までに回答をいただくことはできませんでした。(各銀行からの回答一覧

その中、三井住友信託銀行は350 Japanとの会合を了承し、署名を受け取っていただけたことを直接確認できました。

MUFG、SMFG、みずほ銀行からは書面にて要請書に対する回答をいただき、各銀行が環境・社会リスクを配慮して採択している国際的な原則や方針、そしてグリーンボンド発行などの気候変動問題への取り組みについての記述がありました。

しかし、350 Japanが行った調査(1)よりこれらの銀行は気候変動を加速させている化石燃料に巨額の投資・融資を行なっていることが明らかになっています。また、MUFG、みずほ銀行、SMFGは赤道原則、責任投資原則などの枠組みを採択しているにも関わらず、深刻な人権侵害・環境破壊を引き起こすという理由で米国で大きな社会問題となった「ダコタ・アクセス・パイプライン(DAPL)」建設事業へ莫大な資金提供を行っています。

350 Japan代表の古野真は、「7行中5行より要請書への回答を得られたことは銀行の対応の向上を示すファーストステップだと思います。しかし、投資・融資先企業におけるCO2排出量の情報開示や削減目標、そして地球の気温上昇を1.5〜2度未満に抑える目標に整合した投融資方針の策定などの要請事項に対してどの銀行からもまともな回答は得られませんでした。欧米の大手銀行の多くは預金者や投資家の声に応えるかたちで、「パリ協定」に整合した投融資方針やモニタリング体制の策定、そして環境負荷の高い石炭関連企業やオイルサンド事業に対するセクター別の抑制などを次々と進めています。各銀行の回答から、日本の銀行がどれほど遅れをとっているかが浮き彫りになりました」と述べました。

銀行へパリ協定に整合した投融資を求めるために350 Japanは、11月6日より署名に賛同した預金者とともに気候変動問題を悪化させる化石燃料やリスクの高い原発にお金を流していない「地球にやさしい銀行」にメインの預け先を乗り換えるダイベストメント・キャンペーン「レッツ・ダイベスト」を実施します。「パリ協定」の採択日の2周年である12月12日までに、100人の個人、そして5団体・企業のダイベストメントを募ります。

注釈:
(1)調査報告書「民間金融機関の化石燃料 及び原発関連企業への投融資状況」


ダウンロード先:
環境に配慮した投融資方針の策定と地球温暖化対策に関する要請書 回答集計

環境に配慮した投融資方針の策定と地球温暖化対策に関する要請書


お問合せ先:
350.org Japan 棚尾真理絵: 090-2183-2113, [email protected]