2016年2月29日

オランダ年金基金のロイヤル・ダッチ・シェル社およびその他、化石燃料関連企業への投資額53億ユーロ減額される

オランダ、アムステルダム — 金融研究機関が本日発表したところによりますと、ここ1年のオランダ年金基金ABPの世界最大手の石炭、石油、および天然ガス関連企業への投資額を、株価の急落を受けて53億ユーロを減額、ABPはこれらの企業の株式を売り出しました。 [1]

この世界第5位の年金基金は、所有していたロイヤル・ダッチ・シェル(保有株式価格が72%下落)、シェブロン(75%下落)、トータル(79%下落)、BP(53%下落)などの化石燃料関連企業の保有株式を大幅に手放し、石炭大手Peabody Energyなど15社への投資を完全に停止した模様です。 11月からの財務分析に よると、 ABPは2012年に化石燃料関連企業への投資から撤退していればさらに90億ドルを確保できていたとのことです。

ABP化石燃料ゼロのシンディ・コルトマンさんは以下のように述べています: 「化石燃料関連企業が財政的に健全な投資先ではない上、モラルの観点から見ても受け入れ難いということに気が付いたようです。 本来、私たちに良き未来を提供してくれるはずの資金が、私たちを不可逆的な気候変動の混乱に陥れるような事業計画をしている企業の支援に使われるのは無責任なことです。」

「世界規模の気温上昇を2℃以下に抑えておくためには、少なくとも80%の化石燃料を地中に留めておかなければなりません。 ABPが行動を起こしたのはもちろん良い事ですが、私たちは完全撤退を約束するようABPに呼びかけています」と、シンディさんは続けます。

ABP取締役会議長のコリエン・ウォルトマン=クール氏はサステナビリティシンクタンク「チャンゲリズム」による財務分析で、化石燃料関連企業への投資価値の減少は、主に商品価格の急激な下落により加速されたものであるとされている点に注目し、年金基金は化石燃料投資から再生可能エネルギー投資への切り替えを目指しています。

チャンゲリズムのヴァタン・ヒュゼイル氏は言います: 「我々の分析によると、ABPはかなりの量の化石燃料関連企業の所有株式を売却中です。 下落幅の大きさは実際の株式価格の減少額では説明できないほど非常に大きなものです。 このことはABPの投資撤退キャンペーンに拍車をかけるでしょう。」

キャンペーングループABP化石燃料ゼロは、昨年3月にABPに化石燃料関連企業からの投資撤退を求める1万人に署名された強力な請願書を提出し、それ以来基金に撤退を促すべく圧力をかけ続けています。 昨年10月、ABPはポートフォリオのうち気候変動による悪影響につながるものを減らしていく最初の計画を発表し、動き出しました。[2]

 

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お問い合わせ先

化石燃料ゼロ オランダ支部: リセト・メデンス, +31 6412 779 05, [email protected] (化石燃料ゼロ オランダ支部)

財務分析に関するお問い合わせはこちら: ヴァタン・ヒュゼイル, +31 6 1080 1500, [email protected]

 

編集者への注意

[1]   サステナビリティシンクタンク チャンゲリズム による財務分析は2014年9月から2015年9月までのABP保有株式データおよび化石燃料ゼロインデックスに基づいています。 全てのデータセットは こちらでご覧いただけます。.
[2] 化石燃料ゼロ プレスリリース: オランダ年金基金の新たなサステナビリティポリシーは気候変動に対処しようとする高い意識とリーダーシップに欠けています。, 2015年10月14日