プレスリリース
2018年3月15日
化石燃料・原発関連企業との取引がない金融機関が15社判明:
350 Japan「地球にやさしい?銀行」45社の「金融機関の環境配慮についてのアンケート」についての調査結果発表
本日、国際環境NGO「350.org」の日本支部(350.org Japan(以下350 Japan))は同団体が特定の化石燃料および原発関連企業との関係が確認されていないと定めている「地球にやさしい銀行」45社(注1)に対して行った、「化石燃料・原発関連企業・事業への投融資の有無」や「環境や持続可能性に配慮した取組み」を問う「金融機関の環境配慮についてのアンケート」(注2)の結果を発表しました。(注3)
350 Japanは各金融機関に問い合わせを行い、アンケートの受け取りの確認はとれたものの、3月14日の期限までに回答をいただけたのは、じぶん銀行、神奈川銀行、楽天銀行、そして労働金庫13社(中央労働金庫、中国労働金庫、東海労働金庫、東北労働金庫、長野県労働金庫、新潟県労働金庫、北陸労働金庫、北海道労働金庫、沖縄県労働金庫、九州労働金庫、近畿労働金庫、四国労働金庫、静岡県労働金庫)を代表する全国労働金庫協会でした。
近年、地球環境に配慮した事業経営を行うことが金融機関の“社会的責任”の一環として世界的に注目が集まっています。このような背景をもとに、今回のアンケート調査は「地球にやさしい銀行」と位置付けられている金融機関45社の中で、どこが積極的に環境や社会に配慮した銀行業務を行っているか一般消費者に紹介する目的で行われました。
<調査の主な結果>
金融機関15社が化石燃料および原発関連企業への投資・融資が無いと回答。
じぶん銀行、楽天銀行そして労働金庫13社に関しては化石燃料および原発関連企業への投融資が無いという回答がありました。神奈川銀行はこちらに関しての情報は非公表のため無回答でした。
金融機関2社が事業経営において気候変動問題とその影響への対策を取ることが必要だと回答。
楽天銀行および神奈川銀行は事業経営において気候変動問題とその影響への対策を取ることを必要だと捉えているという回答がありました。具体的な取り組みとして、楽天銀行は「通帳を発行しないことを通じての紙資源の節約」そして神奈川銀行は「省エネ設備の導入に関する個人ローンについての金利の優遇」を挙げています。
労働金庫13社からは事業経営においては「重要視していない」という回答がありました。その理由として、「労働金庫の商品・サービスは主として個人を対象としており、法人融資については、融資先・目的についても制限されていることから、社会貢献の一環としての環境問題への取組みは行っておりますが方針等は特に立てておりません」と述べています。
労働金庫13社は気候変動や環境に配慮した投融・融資判断を行っていると回答。
労働金庫13社においては「SRI(Socially Responsible Investment:社会的責任投資)原則に基づいた投資先の決定・運用を実践」しているという観点より、気候変動や環境に配慮した投融・融資判断を行っているという回答がありました。
金融機関14社が気候変動を含む環境問題と社会の持続性に関する活動をしていると回答。
楽天銀行は「2014年7月より開始した、森林を整備し生物多様性を保全する楽天グループの取り組み「楽天の森ーあなたと楽天で日本の森を再生ー」」への参加について述べていて、そして労働金庫13社は「SRI(社会的責任投資)や「ろうきん森の学校」などの活動」への取り組みについて述べています。
*詳細は「金融機関の環境配慮についてのアンケート」への回答一覧からご覧になれます。
350 Japan日本代表の古野真は「化石燃料や原発関連企業への投融資がないということが確認できた金融機関があったことはとても大きなステップだと思います。世界では、脱炭素化に向けて、欧米の銀行を中心にCO2の最大排出源である石炭を始め化石燃料からのダイベストメントが進んでいます。今後は金融機関の気候変動対応や投融資方針の内容、関連情報の公開などが主要な評価指標となってきます。回答期間や情報開示における制限などの関係で、回答を得られなかった金融機関がありましたが、社会や環境に配慮した金融機関を選びたい消費者に適切な情報提供をするために、今後も「地球にやさしい銀行」に対してエンゲージメントを続けていきます」と述べています。
350 Japanはこれからもレッツ、ダイベスト」キャンペーンを通じて、「地球にやさしい銀行」へと乗り換える市民や団体を増やすことによって、環境や社会に配慮した銀行業務を行う金融機関の必要性について日本の金融機関へ呼びかけていきます。
注
(2)金融機関の環境配慮についてのアンケート及び回答票(2018年度)
(3)45社に対してアンケートを送付した2月9日に設定されていた回答期限は2月27日でしたが、期間が短いという金融機関からのフィードバックを考慮し、3月14日までの延長を設けました。
▶︎350.org Japanについて
350.org Japanは、米国ニューヨークを拠点にもつ国際環境NGO350.orgの日本支部です。当団体は、化石燃料ダイベストメントを日本で広めるために、2015年4月に設立されました。温暖化を加速させている化石燃料関連企業や、国民の安全や健康を危険にさらす原発関連企業へ投融資をしていない「地球にやさしい銀行」選びを消費者に促すキャンペーンを現在展開しています。
▶︎本件に関するお問合せ
棚尾真理絵 350.org Japan 広報
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