2026年7月24日

【プレスリリース】新分析:ホルムズ危機の悪化により、日本は7兆円以上の損失を被るリスクがある

プレスリリース

2026年7月24日
国際環境NGO 350.org Japan

 

新分析:ホルムズ危機の悪化により、
日本は7兆円以上の損失を被るリスクがある

 

国際環境NGO 350.orgは、イラン戦争に端を発する原油・ガス価格の高騰による損失に関する最新の分析を発表しました。これによれば、日本国民はこれまでに187億5000万ドルの追加負担を強いられたこと、緊張の激化が続けば2026年末までに7兆円以上(7兆2385億円~7兆6192億8000万円)の負担を被ることになります。ホルムズ海峡および周辺地域の情勢が速やかに正常化したとしても、原油・ガス価格の高騰は日本国民に対して、同4兆円以上(4兆4899億7000万円~4兆7262億8000万円)の負担を招くと見込まれます。

米国とイランの対立の再燃やサウジアラビアの石油封鎖により、事態の悪化が懸念されています。本日、350.org Japanが主催した記者会見で、専門家らは、日本は石油・ガスの輸入への依存を脱し、日本の国民と産業をエネルギーコストの高騰からまもる政策を打ち出せていないと述べました。 

さらなる経済損失および気候変動の被害を回避するために、350.orgは、高市早苗首相に対し、石炭火力発電と原子力発電の維持・拡大策や、米国の石油とガスへの巨額の投資を断念すること、エネルギー効率の向上と再生可能エネルギーへの投資を促すことを提言しました。それによって、日本はエネルギーコストを中長期的に節減できると主張しました。

350.orgの新分析は、国際通貨基金(IMF)の2026年4月版世界経済見通し2月28日のイラン核戦争開戦以降の日本の消費データと観測された価格平均に基づくものです。ただし、肥料や食料価格の高騰、経済生産と雇用の減少、化石燃料価格の変動によるインフレの上昇など、より広範な波及効果はまだ考慮されていません。そのため、実際の経済的損失は、原油・ガス価格の上昇による直接的な損失よりもはるかに大きくなる可能性が高いといえます。

国際環境NGO 350.orgジャパン・キャンペーナーの伊与田昌慶は次のように述べました。

「人々は記録的な酷暑とあわせ、冷房費や生活費の負担に苦しんでいます。そのような中、化石燃料依存による7兆円を超えるエネルギーコストの高騰は、言語道断です。それにもかかわらず、日本政府は地球温暖化を招き、人々の家計を圧迫している化石燃料に、さらに多くの税金を投入しようとしています。

高市政権はホルムズ危機から何も学んでいません。輸入石油・ガスへの依存を断ち切らない限り、日本の家計は不安定な化石燃料市場に翻弄され続けるでしょう。日本が国内の再生可能エネルギーとエネルギー効率化に投資し、気候変動対策のリーダーとしての役割を果たさない限り、私たちは異常に高い電気料金と猛暑に苦しむことになるでしょう。

再生可能エネルギーがますます安価になる時代に、今後数十年にわたって高価で不安定な石油・ガス、原子力に投資し続けるという見通しは、今や経済界にとっても懸念になっています。政府はこの状況を見直し、トランプ政権との新たな石油・ガス取引を破棄するべきです」

 

国際環境NGO 350.org米国キャンペーン・マネージャーのキャンディス・フォーティンは次のように述べました。

「化石燃料の掘削、パイプライン、輸出ターミナルに新たに数十億ドルを投じることは、米国と日本を今後数十年にわたり時代遅れの化石燃料に縛り付けることになります。しかし、再生可能エネルギー技術がより安価で効率的になるにつれ、これらの投資は『座礁資産』、つまりグリーン移行によって時代遅れとなり、収益性のないインフラとなるリスクがあります。

日本はパリ​​協定を遵守するとしている一方、米国はこの地球規模の気候協定から離脱します。しかし、日本と米国の両方とも、化石燃料への依存へと逆戻りしています。米国は世界中で破壊的な行為をやめ、公正な移行に尽力する国際的な同盟国と協力し、地球規模の気候危機を終結させるべきです」

編集者への注記

    • 本分析では、価格上昇による総損失額の推定において、意図的に保守的なアプローチを採用している。
    • この推計には、食料や肥料の価格上昇、広範なインフレ、経済生産の減少といった、より広範な波及効果は含まれていない。
        • この推計は、イラン戦争の前の週の価格水準と比較した価格上昇を示している。当時、ブレント原油価格は1バレルあたり72ドルに達していたが、この水準はすでに2026年のそれまでの数週間や数ヶ月間を上回るものであり、中東における供給途絶への市場の懸念がすでに織り込まれていた可能性が高い。つまり、実際の経済的影響は、それ以上に甚大である可能性がある。
    • 価格上昇と配給制による需要減少は既に考慮済みである。
    • ガスについては、ゴールドマン・サックスの予測(ベースラインではIMFのシナリオよりやや低い水準)に基づき、実際のデータに基づいて加重調整を行い、欧州とアジアのガス価格間に高い相関関係があると仮定して推定値を算出した。
  • 数値は、立方メートルなどの単位をエネルギー(EJおよびMWh)に変換する際の四捨五入などにより、若干異なる場合がある。

以上

 

*試算の計算式等につきましては、こちらのプレスリリース(英語版)末尾をご覧ください。

 


国際環境NGO 350.org Japanへのお問い合わせ

伊与田昌慶(いよだまさよし)
国際環境NGO 350.org ジャパン・キャンペーナー
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