Immediate Release
2025年11月22日
国際環境NGO 350.org Japan
COP30閉幕:脱化石燃料を実際の行動に
〜日本は気候エネルギー政策の見直しを〜
本日22日、会期を一日延長した末、 COP30において合意が成立しました。今回の成果には、 市民社会が長年求めてきた気候正義に関する要素が含まれています 。ベレン行動メカニズム(BAM)の設立を通じた、 再生可能エネルギーへの公正な移行のための方針や、 先住民の権利に関して前進がみられました。しかし、石炭、石油、 ガスの段階的廃止に向けたロードマップは緊急に必要とされていま す。 日本を含む先進国が気候資金貢献に関する具体的な約束を避け、 化石燃料への依存からの脱却に踏み込みきれなかったことは極めて 残念です。
困難なグローバル政治状況の中、COP30の会議場の内外では、 先住民、ユース、市民社会のメンバーが、 気候正義の実現に向けて声をあげ、存在感を示しました。また、 議長国ブラジルが化石燃料脱却のロードマップの策定を呼びかけ、 市民社会や先進的なビジネスリーダーの支持を得て、 これに賛成する国の数が約90カ国へと拡大しました。 高まった脱化石燃料の気運を、 具体的な形にして行動に移すことが必要です。350.orgとそ のパートナーは、 引き続き気候正義の実現に向けて尽力していきます。
国際環境NGO 350.orgジャパン・ キャンペーナーの伊与田昌慶は次のようにコメントしました。
「COP30ベレン会議は、日本がパリ協定の1.5℃ 目標達成に貢献せず、 化石燃料依存が招く気候災害リスクや社会経済的損失から国民を守 ることができていないことを改めて証明しました。 日本は脱化石燃料への移行を支援せず、 実際に気候危機の解決に役に立たないグリーンウォッシュ技術をア ピールしています。日本は直ちに、気候変動の適応策・ 損失と被害への支援拡大や、 再生可能エネルギー3倍増のための気候資金の貢献の積み増しに着 手すべきです。
約90カ国が脱化石燃料のロードマップづくりを支持した中、 これに背を向けた日本の気候政策における意欲の欠如はベレンでも 明らかでした。 韓国が石炭火力発電の段階的廃止の宣言に加わったのとは対照的に 、日本はいまだに石炭火力発電所増設計画『GENESIS松島』 すら抱えています。科学に応えるために必要なのは、 化石燃料から再エネへの公正な移行のロードマップであって、 さらなる危機を招く化石燃料産業へのさらなる投資ではありません 」
約90カ国が脱化石燃料のロードマップづくりを支持した中、
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伊与田昌慶(いよだまさよし)
国際環境NGO 350.org ジャパン・キャンペーナー
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