2023年6月23日

【プレスリリース】新グローバル金融協定サミットの気候資金提供が不十分な中、市民社会のムーブメントが拡大

プレスリリース

2023年6月23日
国際環境NGO 350.org Japan

新グローバル金融協定サミットの気候資金提供が不十分な中、市民社会のムーブメントが拡大

 

新グローバル金融協定サミットは、気候変動対策資金や新興経済国の債務といった問題を2日間にわたって議論し、6月23日に閉幕しました。これを受け、350.orgは、このサミットに際して、気候危機の責任を持つ政府や金融機関、企業に対して償うよう求めた市民社会の力強いムーブメントを称賛します。

気候変動や労働、移民などの社会正義運動の活動家らがパリ各地で創意工夫をこらしたアクションに参加しました。お互いに関連する様々な社会問題の運動が協力し合い、団結し、呼びかけました。世界の指導者や金融機関は利益よりも人々を優先し、気候危機に対処していかなければならないと訴えたのです。

気候危機がグローバル・サウスに不均衡な影響を及ぼしている中で開催された同サミットは、気候資金、損失と被害、債務の帳消しが世界規模で議論される重要な機会でした。

サミットは、力強い行動の精神を示しながらも、実質的には人類と地球が必要とするものには遠く及ばない結果に終わりました。重要な改革に着手していくと各国政府や金融機関に代わって宣言したものの、現代の多面的な問題に対応するには、大胆かつ迅速なリーダーシップが求められます。

 

350.org事務局長のメイ・ブーヴィは次のように述べています。

「今週のサミットでは、ある程度の進歩があったものの、必要とされるものに対してあまりにも不十分です。市民社会が立ち上がって、汚染者に対して賠償を求めたアクションは明らかに大成功でした。気候変動対策のために必要な資金は、既に存在しています。

今、先進諸国のすぐ目の前に千載一遇の機会があります。化石燃料企業の民間銀行の口座に過剰に流れ込んでいる資金を減らし、これを気候危機とエネルギー価格高騰の危機に苦しむ世界中の地域コミュニティに振り分けるのです。政治家たちは有権者の声を聞き、気候と生活費の緊急事態に向き合い、世界的に起きている太陽光および風力エネルギーの爆発的な普及を後押しするという、シンプルな第一歩を踏み出す必要があります」

 

350.orgグローバル政策担当アソシエイトディレクターのアンドレアス・シーバーは次のように述べています。

「新グローバル金融協定サミットは始まりにすぎません。気候危機に対処することのできない、不公平な金融システムを改革するという課題に取り組まなければならないのです。公平かつクリーンな再生可能エネルギーシステムへの移行と貧困対策には数兆ドルという資金が必要ですが、同サミットで達成したのは、そのうちのごく一部です。世界の指導者らは、資金を動かし、金融機関を改革する方法について、今後のG20や世界銀行、国際通貨基金の会合で議論を続けなければなりません」

 

350.orgアジア地域ディレクターのノーリー・メルカドは次のようにコメントしています。

「新グローバル金融協定サミットは、初動こそ前向きであったものの、アジアを含む発展途上国の地域社会に十分な成果をもたらすことができませんでした。気候問題への寄与が非常に少ないにもかかわらず、深刻な気候変動の影響を受けている地域です。新興経済国も同様で、何世紀にもわたる植民地主義の残滓である借款と重い債務によって不公平に影響を受けています。このような現状を変え、賠償を実現させることが極めて重要です。私たちは、気候正義の前提である債務の帳消しと、無償資金援助による気候資金提供を求めます」

 

以上

 

問い合わせ先:

国際環境NGO 350.org Japanチームリーダー代行

伊与田昌慶(いよだまさよし)

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国際環境NGO 350.org Japan 広報担当(Communication Consultant)

髙橋英江(たかはしはなえ)

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