2023年5月19日

【プレスリリース】脱化石燃料と再エネ転換のG7合意を求めて21カ国の50地域以上で市民アクション:合計1万筆以上の署名も集まる

プレスリリース

2023年5月19日

国際環境NGO 350.org Japan

脱化石燃料と再エネ転換のG7合意を求めて21カ国の50地域以上で市民アクション:合計1万筆以上の署名も集まる

 

G7広島サミットの開幕にあわせ、世界中の市民が化石燃料からの脱却を求めて声をあげる市民アクションや国際署名を行い、日本を含むG7諸国にメッセージを届けました。これは、350.orgを含む世界中の気候NGOやアクティビスト、若者グループが気候の危機を訴えるとともに、気候正義の実現を求めて実施したものです。


写真:(左上から)フィリピン、日本、ネパール、ウクライナにおける気候市民アクション

*「G7国際アクション週間」のために各国で行われたアクションの写真はこちらのGoogle Driveから閲覧・ダウンロードいただけます(メディアの皆様には記事等にお使いいただけます)。

 

G7に向けた気候アクションは、サミット開催地である広島を含む世界21か国の50地域以上で行われました。G7気候アクション週間においては、G7とりわけ議長国日本に対して、2030年までの石炭火力発電からの脱却、2035年までの電力部門の完全な脱炭素化、アジアやアフリカの化石燃料事業への支援停止、途上国への気候資金支援の強化などを求めるメッセージが発信されました。ロシアによる侵攻を受けているウクライナの市民からは、日本などがロシアの化石燃料を輸入し続けることは戦争への加担を意味するとして、化石燃料の禁輸を求める声があがりました。

 

G7に向けたアクションは、日本の他には、米国、カナダ、英国、スペイン、ウクライナ、オーストラリア、バングラデシュ、ブラジル、エストニア、ガーナ、インド、インドネシア、マーシャル諸島、ミャンマー、ネパール、パキスタン、フィリピン、韓国、スリランカ、台湾、ベトナムで実施されました。これらのうち、フィリピンなどでは、同国の日本の在外公館の前でアクションが行われました。

 

G7広島サミットに向けては、気候変動に危機感を持つNGOや若者グループによって、国際的な署名活動が展開されました(※)G7議長国の日本に対して脱化石燃料や再生可能エネルギーへの転換、気候正義の実現を求めるこれらの要請には、合計で1万筆を超える署名が集まり、今もその数は増えて続けています。国際環境NGO 350.orgは、「岸田首相、アジア・世界の化石燃料に資金提供しないで!」との要請に7,674筆を集めました。Fridays For Future Japan気候正義プロジェクトは「アジアの若者からの要求:日本政府は今すぐ化石燃料へのあらゆる支援を中止しなさい」との要請に1,426筆を、国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、「2035年までに電力の大半を再生可能エネルギーで供給し、私たちに安全で平和な未来を約束してください」との要請に、1,405筆を集めています。

昨日18日、世界気象機関(WMO)は、早ければ2027年までに世界平均気温上昇がパリ協定の目標である1.5℃を超えてしまうおそれがあると警告しています。気候危機の緊急性がますます高まる中、G7広島サミットで議長国を務める日本の岸田首相には、これまでにない強いプレッシャーがかかっています。

 

国際環境NGO 350.org  Japanフィールド・オーガナイザーの飯塚里沙は、次のようにコメントしています。

「G7国際アクション週間では、何百人もの人々が、G7のリーダーたちに科学と正義に基づいた決定をするよう要求しました。私たちは、日本政府が、気候危機を悪化させるような選択をやめるよう要求しました。日本政府は現在、まだ存在しないグリーンウォッシュ技術や、ロシアの戦争の資金源になるガスなどの化石燃料輸入、そしてグリーン・トランスフォーメーション(GX)政策のもとで危険な原子力発電を維持・拡大させる方針です。一方、危機の根本的な原因である化石燃料の問題は十分に言及されないままです。
私たちの未来と生活は、G7リーダーの議論と選択にかかっています。私は日本政府に対し、気候変動の危機を加速させることをやめるよう強く求めます。私たち市民は、声を上げました。今こそ、G7リーダーたちがその声に耳を傾け、それに従って決断すべきときです。」

 

国際環境NGO 350.org アジア金融キャンペーナーのチャック・バックラゴンは、次のようにコメントしています。

「日本は、来るG7サミットで気候変動対策のリーダーシップを発揮することで、他の国々を動かし、世界の温室効果ガス排出量削減に有意義な影響を与えることができます。世界第3位の経済大国である日本の気候危機に関する公約は、世界のパリ協定の1.5℃目標を達成するには不十分です。だからこそ、日本が再生可能エネルギーを推進することがパリ協定の目標達成の上で重要な役割を担っているのです。」

 

国際環境NGO 350.org バングラデシュのアソシエート・コーディネーター、ファルザーナ・ジュムは次のようにコメントしています。

「G7サミットは、喫緊の国際課題に対する協力のために不可欠なものです。我々は、バングラデシュの発展に対する日本の貢献を評価しますが、その投資のあり方を変えるよう強く求めます。化石燃料への融資ではなく、対等な開発パートナーとして、再生可能エネルギーに資金支援することを求めます。日本がバングラデシュの環境保全型経済への道を支援し、両国にとってメリットのある再生可能エネルギーへの転換を促進することを求めます。」

 

Fridays For Future Japan マイノリティから考える気候正義プロジェクト代表の山本健太朗は次のようにコメントしています。

「日本政府は、『国際貢献』や『開発援助』といった聞こえの良い言葉で、アジア各地に今後も化石燃料技術を輸出しようとしています。しかしこのような化石燃料の延命策で救われるのは、化石産業の利益のみです。このことは、アジア各地で今後も多くの人々が開発による立ち退きや環境破壊にさらされることを意味します。

アジア各地の若者と共に、今回の署名を通して、日本政府に対して『これ以上命や生活を奪うな』と訴えます。」

 

※それぞれのG7サミット署名の内容ご確認ください。



問い合わせ先:

国際環境NGO 350.org Japan チームリーダー代行

伊与田昌慶(いよだまさよし)

Email: [email protected]

 

国際環境NGO 350.org Japan 広報担当(Communication Consultant) 

髙橋英江(たかはしはなえ)

Email: [email protected]