2023年3月21日

【プレスリリース】IPCC最新報告:気候危機対処のため大規模かつ緊急の変化が必要

プレスリリース

2023年3月21日

国際環境NGO 350.org Japan

IPCC最新報告:
気候危機対処のため大規模かつ緊急の変化が必要

 

20日、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、最新の報告書を発表しました。これは、IPCC第6次評価報告書のうち、気候変動の自然科学的根拠、気候変動の影響と適応、気候変動を抑えるための緩和策を含む、包括的な統合報告書です。今回の統合報告書は、パリ協定のもとで行われている世界の気候変動対策の進捗評価「グローバル・ストックテイク(Global Stocktake: GST)」での情報提供にも活用されます。

 

IPCCの最新報告は、気候危機による災害を回避し、人々と生態系への被害を最小限に抑えるためには、すべての化石燃料の迅速な段階的廃止(フェーズアウト)が必要であることを明確にしました。 また、気候変動による地球平均気温上昇が1.5℃を超えると、人権を脅かす破滅的な影響が世界中で及ぶことも警告しています。

 

 

国際環境350.org 事務局長のメイ・ブーヴィは次のようにコメントしています。

「この報告書は、化石燃料の段階的廃止と、公共的かつコミュニティ主導の再生可能エネルギーへの公正な移行を急ぐよう求めています。気候危機に対処するために必要な規模と速度での変化が求められているのです。再生可能エネルギーへの投資は過去最高の水準にあり、変化が起き始めているように見えます。しかし、再生可能エネルギーを普及させたとしても、化石燃料の使用を続けていれば、本当に必要な変化は起きません。化石燃料の使用から生じる温室効果ガス排出をなくさなければ、何も変わらないのです。」

 

国際環境NGO 350.org Japanチームリーダー代行の伊与田昌慶は次のようにコメントしています。

「IPCCの最新の統合報告書は、全ての化石燃料の段階的廃止と再生可能エネルギーへの公正な移行を加速するため、日本のようなに豊かな国には率先して取り組むべき歴史的責任があることを明確に示しています。気候変動対策否定論は、非道徳的であるだけでなく、非科学的であり、経済的にも不合理です。G7の札幌大臣会合や広島サミットを控える日本政府は、化石燃料とアンモニア・水素の混焼、原子力、炭素回収貯留や炭素回収利用貯留(CCS/CCUS)を含むGX(グリーン・トランスフォーメーション)政策方針によって、当面の気候危機対策の役に立たない「誤った解決策」を売り出すことをやめるべきです。」

以上

 

問い合わせ先:

国際環境NGO 350.org Japan チームリーダー代行

伊与田昌慶(いよだまさよし)

Email: [email protected]

 

国際環境NGO 350.org Japan 広報担当(Communication Consultant) 

髙橋英江(たかはしはなえ)

Email: [email protected]