2022年6月29日

【レター】東アフリカ原油パイプライン(EACOP)事業による三井住友銀行への重大なリスクについて

レター

2022年6月29日

国際環境NGO 350.org Japan

 

6月24日、国際環境NGO 350.org Japanは、パートナー団体と連名で、三井住友銀行とその親会社である三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)宛に、東アフリカ原油パイプライン(East African Crude Oil Pipeline: EACOP)計画への関与をやめるよう求めるレターを送付しました。

レターの抜粋は次の通りです。

 

東アフリカ原油パイプライン(EACOP)事業による三井住友銀行への重大なリスクについて

 

私たち、三井住友フィナンシャルグループ(以下、SMBCグループ)の株主を含む署名者は、大きな物議を醸している東アフリカ原油パイプライン(EACOP)事業に対して、三井住友銀行が助言と融資の幹事を行っていると報告されている役割に対して強く懸念しています。本書簡を通じて、貴行取締役会に対し、地球規模の気候非常事態を悪化させる、この大規模な化石燃料事業への三井住友銀行の関与を停止するよう求めます。

三井住友銀行の取締役の皆様は、貴行のリスク管理プロセスや情報開示を監督し、また、三井住友銀行が関連する法律および企業方針を遵守して行動することを確保する責任を負っています。三井住友銀行は、EACOP事業の運営会社であるトタルエナジーズ社(以下、トタル社)に助言を行い、事業総費の6割までを賄う20〜30億ドルのプロジェクトの債務による資金調達3を共同であっせんしている4と報告されています。この報告されている役割に加えて、三井住友銀行は、2017年から2021年において、トタル社に対して、2024年以降に満期を迎える複数のローンを含む22億ドルの化石燃料に当てられるローンを発行しています。5

後述のとおり、EACOPという大規模な化石燃料拡張事業を支援することは、SMBCグループが環境・社会に関して表明している方針や約束、特に人権、気候変動、ラムサール条約指定湿地の保護に関する方針や約束に反します。6三井住友銀行による本事業への関与が、同事業の人権への悪影響に寄与した、あるいは将来寄与する場合、国際人権基準と矛盾する、また、関連する法律に違反する可能性があります。7これは同事業による予見可能な気候への影響を要因とする人権への悪影響を含みます。これらの矛盾を無視したり不正確な説明をすることや、EACOP事業への支持が気候、環境、人権に関する貴グループの公的な約束と両立しているように装うことは、グリーンウォッシュに該当する恐れがあります。

EACOP事業において三井住友銀行が担っていると報告されている役割は、SMBCグループにとって大きな評判リスク及び財務リスクとなります。さらに、SMBCグループが、添付資料「ESGリスクの背景」に記載されており、また後述する、EACOP事業による予見可能なリスクおよび実際の悪影響または予見可能な悪影響を評価および管理しなかった場合、貴グループ、または三井住友銀行が法的責任を負う可能性があります。また、受託者義務に従わなかったとして、貴グループの取締役の責任も問われる恐れがあります。

従って、私たちは、貴グループに対して、EACOP事業に対する三井住友銀行によるこれまでの全ての支援に関連するリスクを速やかに検討し開示すること、同事業による予見可能な人権への悪影響に寄与することを停止し、今後寄与することを防止し、これまでに発生した悪影響を緩和すること、および、最終的には同事業への一切の関与から撤退する・控えることを求めます。より詳細な提言は、本書末尾に記載しています。…

 

(抜粋・以上)

 

レター全文

三井住友銀行宛 レター(日本語)

三井住友フィナンシャルグループ宛 レター(日本語)

Letter to Sumitomo Mitsui Banking Corporation (English)

Letter to Sumitomo Mitsui Financial Group (English)

 

本件に関する問い合わせ

国際環境NGO 350.org Japan 伊与田昌慶

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