国際環境NGO 350.org Japanと特定非営利活動法人アフリカ日本協議会は、「アフリカの日」である本日5月25日にあわせて、アフリカと気候変動に関する共同声明を発表しました。
2022年5月25日
国際環境NGO 350.org Japan
特定非営利活動法人アフリカ日本協議会
「アフリカの日」に寄せて:
アフリカの市民との連帯と気候正義の実現を求める共同声明
5月25日は「アフリカの日(Africa Day) 」で、1963年5月25日にアフリカ統一機構(OAU)が設立されたことを記念して定められた日です。OAUは2002年にアフリカ連合(AU) に移行し、55カ国が加盟しています。この日はアフリカ各国をはじめ世界中で祝われます。
現在、気候変動の危機は顕在化しており、アフリカにおいても最大の社会課題の1つになっています。アフリカ各地で山火事の頻発や干ばつ、サバクトビバッタの大発生が飢餓や栄養不足に深刻な影響を与えています。先月、南アフリカのダーバンで400人以上が亡くなった洪水など、深刻な気候災害は枚挙に暇がありません。気候変動の解決なくして、持続可能な開発目標(SDGs)の全面達成はなしえず、他のゴールと同様、行動強化が求められています。
現在進行している気候変動の大部分は、日本を含む先進国における化石燃料の大量消費によって引き起こされてきました。日本の1人あたりのCO2排出量は年間約8トンですが、アフリカでは約1トンです。とりわけ最も貧しく困難な状況に置かれている人々は、ほとんどCO2を排出していないにもかかわらず、最も深刻に気候変動の影響を受けています。植民地主義などによって歴史的に引き起こされてきた貧困や飢餓といった苦難を、近年の気候変動がさらに悪化させているのです。
この現実を踏まえ、私たちは、「アフリカの日」に、次のことを求めます。
- アフリカにおいて気候変動に直面し、様々な工夫をこらしてその緩和や対応に取り組んできた人々や、再生可能エネルギーのさらなる導入を求め、化石燃料事業の中止を求めるアフリカの市民に連帯の意を表明すること。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新報告を受け、ガーナの気候活動家は再生可能エネルギーのさらなる導入を求めてマーチをしました。ウガンダの市民は化石燃料事業の中止を求めて声をあげました。パリ協定にも謳われている気候正義の実現のため、アフリカで草の根で行動する市民と日本から対話を続け、連帯します。
- 日本の官民は、気候変動や人権状況の悪化につながる、アフリカでの化石燃料開発プロジェクトや大規模農業開発計画への加担をやめること。世界最大の原油輸送パイプライン計画である「東アフリカ原油パイプライン(EACOP)」には日本の三井住友銀行も関与しており、アフリカ内外で強い批判の声があがっています。モザンビークにおける天然ガス開発事業には国際協力銀行(JBIC)や三井物産なども関与しています。これらの事業は気候変動の原因となり、広範囲に生態系を破壊します。さらに、国内の需要に応じるのではなく、国外に資源を輸出するものです。市民の民主的な参画と健全なガバナンスが確保された対話プロセスを通じて、かかる事業を見直すことが必要です。
- 先進国の責任として、アフリカにおける気候変動の適応策、クリーンエネルギーへの転換、気候災害の対応に関する支援を強化すること。人々の人権が脅かされたり、貴重な自然環境が破壊されたりすることはあってはなりません。アフリカにおける先進国企業の事業には巨額の公的支援や民間投資がなされる一方、脆弱な状況に置かれた人々への支援は不十分なままです。
- アフリカにおける気候変動の被害と日本における温室効果ガス排出がつながっていることを認識し、日本における気候変動対策の強化を急ぐこと。パリ協定の1.5℃目標に整合するよう、温室効果ガス排出削減目標のさらなる引き上げや、省エネルギーを最優先で徹底するとともに、環境破壊的でない再生可能エネルギーへの公正な移行が必要です。そのためにも、日本の金融機関及び機関投資家は、化石燃料への資金の流れを止めなければなりません。
以上
賛同団体(30団体)
- 世界女性会議岡山連絡会
- the Climate Reality Project Japan
- 350 Shizuoka
- 350 New ENEration
- アフリカ理解プロジェクト
- Citizens’ Climate Lobby Japan
- 青森の温暖化対策を考える会
- FridaysForFuture太宰府
- ムラマチ・ネット
- 350Tokyo
- Baobab Club 再建準備χ
- NPO世界環境改善連合
- 持続可能な社会に向けたジャパンユースプラットフォーム
- NGO 日本アフリカ国際開発(JANIDA)
- Spiral Club
- NGOピースボート
- ゼロエミッションを実現する会・横浜
- Fridays For future Japan マイノリティから考える気候正義プロジェクト
- 藤沢エコネット
- アジア・太平洋人権情報センター
- Fridays For Future Tokyo
- Fridays For Future Saitama
- XR四国
- ワーカーズコープ 気候環境アクションチーム
- Fridays For Future Okinawa
- 350中四国ネットワーク
- 気候訴訟ジャパン
- 国際環境NGO FoE Japan
- 青年環境NGO Climate Youth Japan
- 気候ネットワーク
賛同個人(87人)
- 伊与田昌慶(国際環境NGO 350.org Japanスタッフ、大学非常勤講師)
- 時實達枝【Tokizane Tatsue】(世界女性会議岡山連絡会代表)
- 三谷優衣子(CRPジャパン プログラム・マネージャー)
- 佐藤智心(写真作家)
- 平出めぐみ(一般市民)
- みき(東京在住)
- 沼田 茂(国際環境NGO 350.org Japanフィールドオーガナイザー)
- いち(一般市民)
- かな(会社員)
- sayaka yamawaki(専業主婦)
- 旭博道(一般市民)
- hitomi(千葉在住)
- まもと(大学生)
- やーゆ(350 New ENEration キャンペーナー)
- 野田浩平(CCL Japan代表、JANIDA理事)
- 飯塚里沙(一般市民)
- 荒尾日南子(350 Japan)
- 小泉尊聖(ひろがれ!ピース・ミュージアムいたばし共同代表)
- 中堀一弥(薬剤師)
- 金山麻美(シェタニアート/JAPAN TANZANIA TOURS)
- 秋元なおと(みらいみたいなマンガ集 主催)
- 髙田 陽平
- 髙羽 開(醸造家)
- 吉田明子(国際環境NGO FoE Japan)
- 寺井 栄治(ワーカーズコープ組合員)
- 長田大輝(国際環境NGO FoE Japan キャンペーナー)
- 池上甲一(近畿大学名誉教授、西日本アグロエコロジー協会・共同代表)
- 佐野康子(東京在中)
- 笠井貴代(NPO法人COJ(気候危機プログラム担当))
- かおり(Fridays For Future)
- 毛綱啓太(行政書士、NPO法人BaobabClub再建準備最高責任者)
- 行松 妃奈子(和菓子屋さん)
- 山下理兼(千葉在住一般市民)
- 岸田英敏(一市民)
- あき(千葉在住)
- 野村朝子(一般市民)
- まい(350NewENErationメンバー)
- 茂住 衛
- 宮坂理紗(学生)
- 井上 道代(気候ネットワーク会員)
- 鈴木健司(JICA)
- 荒井創未(ゼロエミッションを実現する会事務局)
- Naomi Dogen(カナダ在住、国際環境NGO 350.org Japanボランティア)
- よすこ(NewENErationメンバー)
- ちょび(一般市民)
- katsuko arai(藤沢市在住)
- 黒坂 陸(一般市民)
- 武重レオナルド隼人(大学院生)
- 下村委津子(認定NPO法人環境市民副代表理事)
- みか(一般市民)
- 三輪 敦子
- Naokobakery(一市民)
- 森山拓也(横浜市民)
- 門馬砂織(一般市民)
- 匿名
- 高輪祐子(一般市民)
- きくちえりこ(市民)
- 田渕 透(パワーシフト・キャンペーン)
- 國友丈数(会社員)
- 小林悠(横浜在住)
- こば(東京在住)
- 清野華那(Fridays For future Japan マイノリティから考える気候正義プロジェクト オーガナイザー)
- 我那覇大介(一般市民)
- ヒル・ダリア・エイミー(Fridays For Future Japan 「マイノリティから考える気候正義プロジェクト」オーガナイザー)
- 山本健太朗(Fridays For Future Japan「マイノリティから考える気候正義プロジェクト」)
- りい(一般市民)
- YA(会社員)
- かれん(大学生)
- ゆるいるか(大学1年)
- 儀同千弥(国際環境NGOグリーンピース・ジャパン)
- 鴫原宏一朗(Fridays For Future Japan,Sendai,マイノリティから考える気候正義プロジェクト)
- 小倉正(XR日本ツイッター担当)
- 横山隆美(350.org Japan)
- たむ(気候変動若者会議)
- 菅原(気候ネットワークスタッフ)
- ななみ(東京在住)
- ふくむらよしみ(大学院生)
- 杉山早苗(ゼロエミッションラボ沖縄)
- 林すず子(一般市民)
- 立松美枝(東京在住)
- 明日香壽川(東北大学教員)
- 鈴木康子(気候ネットワーク)
- 酒勾 榛(一般市民)
- 星川まり(緑の党グリーンズジャパン)
- プーたぁん(一般市民)
- SHIMIZU Ayumi(一般市民)
- 鈴木宏隆(神戸在住)
本件に関する問い合わせ先:
国際環境NGO 350.org Japan https://world.350.org/ja/
担当者:伊与田昌慶 E-mail: japan[@]350.org