2022年2月3日

【プレスリリース】三井住友・三菱UFJは東アフリカ原油パイプライン計画への支援をやめるべき

プレスリリース

2022年2月3日

国際環境NGO 350.org Japan

 

<声明>三井住友・三菱UFJは東アフリカ原油パイプライン計画への支援をやめるべき

 

東アフリカ・東京 – 2月1日、ウガンダのヨウェリ・ムセベニ大統領は、大きな論争を呼んでいる東アフリカ原油パイプライン(East Africa Crude Oil Pipeline: EACOP)の建設計画の進捗状況を発表しました。同パイプラインは、ウガンダのホイマからタンザニアのタンガ港まで続く全長1,443kmの原油パイプラインで、完成すれば世界で最も長い原油パイプラインとなります。

ムセベニ大統領は、EACOPプロジェクトの最終投資決定(FID)に正式に署名し、プロジェクトの推進に必要な資金的裏付けがあることを示唆しました。しかし、この巨大な化石燃料プロジェクトでは、まだ少なくとも25億ドルの資金が不足しています。

気候活動家たちは、この化石燃料インフラ計画を支援しないよう求めており、多くの大手銀行はすでに同プロジェクトへの支援を断念しました。しかし、今もなおEACOPに資金を提供する可能性のある銀行も残されており、支援を取りやめるよう圧力が高まっています。EACOPへの支援取りやめを表明していない銀行には、日本のメガバンクである三井住友銀行(SMBC)や三菱UFJ銀行(MUFG)をはじめ、スタンダードバンク(南アフリカ)、ICBC(中国)、JPモルガンチェース(米国)、スタンダードチャータード(英国)、シティ(米国)、ドイツ銀行(ドイツ)などが含まれます。

 

350.org日本支部ファイナンス・キャンペーナーの渡辺瑛莉は以下のように述べました。

もしも日本のメガバンクがEACOPへの融資を決定すれば、ウガンダとタンザニアにおいて何万人もの人々が住む場所を奪われ、地域の社会・環境・経済が脅かされるとともに、貴重な生態系が破壊されることになるでしょう。必要な資金が調達され、世界最長の原油パイプラインが完成すれば、気候危機をさらに悪化させることになります。三井住友銀行がこの問題のあるプロジェクトのファイナンシャル・アドバイザーとして関与することは、特に問題です。EACOPへの支援は、「2050年までにポートフォリオ排出量をネットゼロにする」という同行の公約に完全に反し、エクエーター原則の下で世界最多の化石燃料プロジェクトへの融資者である同行の地位を悪化させるだけです。みずほ銀行を含む11の世界の銀行が、すでにこの壊滅的な影響をもたらすEACOPから距離を置いています。三井住友銀行および三菱UFJ銀行はそれに続くべきです。

 

350.org アフリカ地域ディレクターのランドリー・ニンテレツは以下のようにコメントしました。

「東アフリカの未来は、持続可能で多様性のある包摂的な経済を構築することにかかっています。トタルのような巨大多国籍企業に資源を採掘させて利益を得ることは東アフリカのためにはなりません。EACOPの建設は、私たちのコミュニティ、野生生物、そして地球に壊滅的な影響を与えるでしょう。2月1日の発表や化石燃料を推進する人たちによるPR活動も行われていますが、EACOPの計画を止めることはできます。実際、計画の実現には世界中の民間銀行から何十億ドルもの資金が必要です。これらの銀行のほとんどは、すでにこの問題のある計画から距離を置いています。私たちは共に銀行にさらに圧力をかけ、資金が東アフリカ地域の化石燃料プロジェクトに流れるのを止めます。EACOPを止めることで、地域社会の権利を守り、環境を保護するだけでなく、地域社会のために持続的発展を実現する真の解決策を支援することができるのです。」

 

参考:

  • 東アフリカ原油パイプライン(EACOP)の概要
    • 石油メジャーであるトタルとパートナー企業は、ウガンダのホイマからタンザニアのタンガ近くのチョンゴリーニ半島まで、1,443kmの原油パイプラインと原油輸送用インフラの建設を目指しています。
    • 同プロジェクトは、ビクトリア湖流域の数百万人の水資源と生活を脅かすとともに、世界で最も重要なゾウ、ライオン、チンパンジーの自然保護区のいくつかを破壊し、毎年3,400万トン以上の炭素排出を余分に生み出すだけの原油を輸送することになります。
  • StopEACOPキャンペーンの詳細については、ウェブサイトをご覧ください。
  • 最新情報は#StopEACOPでフォローしてください。
  • 350.orgは、三井住友銀行などに対して、EACOPへの支援をやめるよう求める署名運動を展開しています。これまでに、約2万4000を超える署名が集まっています。

本件に関する問い合わせ先:

国際環境NGO 350.org Japan、伊与田昌慶、[email protected]