2019年3月15日金曜日、112カ国で合わせて160万人の若者が学校を休み、気候変動対策に対して積極的な姿勢でない自国の政府に対して声をあげました。彼らは自分の未来がないことを恐れ声をあげましたが、未だに政府からは適切な反応がありません。
G7各国(フランス・アメリカ・イギリス・ドイツ・日本・イタリア・カナダ)から、Student Climate Strikerが集まり、世界中の若者を代表して、G7首脳に対しての公開状を作成。世界の政治経済を率いるリーダーとして、G7加盟国は世界に対して環境保全と経済成長が両立するような持続可能なモデルを示す責任があります。
G7首脳への公開状
G7環境会議の閣僚各位
キャサリン・マッケナ環境相
アンドリュー・ウィーラー環境保護局長官
フランソワ・ドルジ環境相臣
原田義昭環境相
スベンヤ・シュルツェ環境相
セルジオ・コスタ環境相
マイケル・ゴーブ環境省
私たちは、未来のために気候変動対策を求める若者のグループとしてだけではなく、国家の幸福のために声をあげる市民としてこの公開状を書いています。私たちの未来は不確実な状況にあります。なぜなら、私たちの首脳が地球環境を犠牲にしてまで経済成長を求めようとするからです。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が出した報告では明確にこう示されています。地球環境の破壊を止めたいのであれば、私たちは変わらなければならない。しかし、何も変わらないままなのはなぜでしょう。私たち若者は無視され、忘れられているのでしょうか。
G7諸国は、気候変動の原因を作ってきた責任、そして国際社会の中での影響力がともに大きいにも関わらず、気候変動を食い止めようという姿勢が十分見られません。私たちが日々感じている危機感を同様に感じてほしいのです。終わりのない議論をする時間はもうありません。時間は刻々と過ぎ、水面は上昇し、そして人々は死につつあります。
カナダ北極圏では現在、通常の3倍の速度で気温が上昇しています。2度を超える気温上昇は永久凍土の融解をもたらし、家が沈み、狩猟によって得ている食料の危機、ホッキョクグマなどの動物の飢餓といった影響が出るのです。先住民族の権利に関する国際連合宣言(UNDRIP)の下で、気候変動は先住民族であるイヌイットの権利の侵害に繋がるとされています。イヌイットの文化は、自然環境との共生で形作られているため、自然破壊は彼らの文化を破壊することを意味します。Sheila-Watt Cloutierをはじめとするイヌイットの活動家たちはこれまで何十年もの間、助けを求めてきましたが、彼らの声はまだ届いていないのでしょうか。
日本では、2018年7月の記録的な豪雨による洪水や地滑りで、約200人が亡くなりました。また、想像を絶する熱波が特に子どもや高齢者の健康を脅かしました。そして、2018年の台風21号による関西国際空港内の洪水は、島国が気候変動に対してどれほど脆弱であるかを思い知らせました。気候変動が悪化し続けると、異常な気象パターンがより頻繁に発生します。私たちの将来は、ますます苦しみを伴うものになるのでしょうか。
このように自然からの警告があるにもかかわらず、日本は気候変動対策に十分と言える努力を払っていません。日本は未だに石炭火力発電所の新設を計画している唯一のG7加盟国です。またパリ協定発効以来、日本のメガバンクは化石燃料に1860億ドルの資金提供を行っていますが、彼らは変化を拒み、利潤追求だけを考えるDelayer(対策を遅らせる集団)であると共に、彼らの利益は将来世代である私たちの負担となることはご存知ですか。
今まで述べてきた気候変動の影響は、G7諸国に限りません。アフリカの多くの国々では、わずかなCO2排出量にも関わらず、干ばつによる影響は他の地域と同様に多くの被害をもたらしています。先進国諸国が明らかに地球に重い負担をかけるライフスタイルを続けた結果、なぜそれ以外の地域の人たちが苦しまなければいけないのでしょうか。さらに、発展途上国で起こる自然災害はG7諸国にも影響を与えます。何も対策をしなければ、間もなく1億4,300万人の難民がより安全な地域へ避難することになるのです。
世界で最も力を持つ7カ国の意思決定者としての責任を問うている理由は以上の通りです。G7諸国はIPCCが示す世界平均よりも野心的な排出削減目標として、「2030年までに45%、2050年までに実質ゼロ」を掲げる必要があります。他の国が今後私たち先進国と同じ過ちを繰り返さないように、模範となるリーダーシップを発揮し、途上国に対して経済的、人的支援を続けていくべきです。
世界各地の子どもたちが明るい未来を迎えることができるように、私たちはG7首脳に早急に行動を起こすように懇願します。
敬具
Rebecca Hamilton-Miriam, Maya Mersereau-Liem, Payton Mitchell (Canada)
Isra Hirsi, Maddy Fernands (USA)
Greta Stripp, Elsa Quillaud, Nahia Briault, Mael Blin (France)
Kim Tran, Hiroto Inoue, Erina Imai (Japan)
Sammy Céline, Luca Salis, Jan Ole Lindner, Carla Reemtsma, Jakob Blasel, Luisa Neubauer, Franziska Wessel (Germany)
David Wicker (Italy)
Anna Taylor (UK)