こんにちは

上智大学外国語学部英語学科2年の雪下です。

350にはEACLC#3をきっかけに関わらせていただいています!

先日台湾で5日間に渡って行われた2017 East Asia Climate Leadership Camp (EACLC)#3 に行ってきました^^

EACLC(東アジア気候変動リーダーズキャンプ)は350.orgが2015年に始めた東アジアでの気候変動防止に取り組むリーダーとなる人の育成を目的としたキャンプです。

東アジア7カ国以上から気候変動活動に取り組んでる人が集まり、互いのキャンペーンやスキルをシェアして学び合い、今後どのようにアジアで運動を展開していくか考えを深めていきます。

今回は350.orgの台湾チームが主催し、日本、韓国、中国、香港、台湾、ベトナム、インドネシア、フィリピンから約40人が参加しました。

このブログでは2回に渡って私が2017 East Asia Climate Leaders Camp(EACLC)に参加して感じたこと、学んだことをシェアしたいと思います。

第1回目は EACLCの5日間でどのようなことをしたのか、活動の様子を簡単に説明します!

 

◎ DAY 1 ー参加者と顔合わせ、不安とワクワク!

「これから5日間、いろんな国のキャンペーンを聞いて、気候変動に取れ組んできた人たちから学ぼう、これを私の環境問題への取り組みの入り口にしよう」という思いで、成田空港に向かい、初めての台湾と「これからどんなことを学べるんだろう」という期待を持って台湾へ向かいました。

夕方台中市に到着して、これから4日間使うことになる教室で参加者どうしで顔合わせをしてご飯を食べた時、初日で自分の英語でのコミュニケーションの不安もあって明日から大丈夫かな。。。と不安がありました。でも同時に明日はどんなことするかな、何を学ぶかな、と楽しみもありました。

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◎ DAY2ー初めてのフィールドトリップ

午前中に台中市で火力発電所への反対運動に関わっている人から台湾での反火力発電運動について聞き、発電所の周辺に住んでいて実際に子供に健康被害が出た人や、普段は病院で働いている一般市民の方から、なぜ運動に参加したのか、普段どのように運動に関わっているのか、などの話を聞きました。

市民運動に関わったことは言うまでもなく、実際に関わってる人の話すら聞いたことがなかった私にとって、ハッと気づかされることばかりでした。台湾では3つの火力発電所への反対運動が盛んな地域で火力エネルギー削減に関する県の法律が制定されたけれど、国の環境省の一声によってなくなってしまったことがあります。

この話だけで、私は改めて上に立つ人や政治が市民の生活に持っているかを実感して、その人たちがどんな考えを持って何を重要視しているのかを知ることの大切さを痛感しました。また、台湾ではデモなどに家族で参加したり学生や社会人が参加する、と聞いて「彼らは自分たちの手で社会問題を変えようとしているんだ」と感じ、今までそうしてこなかった自分に気づきました。

その後、台中市にある火力発電所へのフィールドトリップへ行き、実際に発電所周辺の海や空気を見て、発電所の影響を身を持って実感しました。この時初めてテレビで見たり本で読んだり聞いたりしただけだった大気汚染などの「環境問題」が目の前で起きているのを見て、それが「どこかで起きていること」ではなく、「自分ごと」になりました。

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◎ DAY3ー  Divestment  や各国のキャンペーンを学ぶ

3日目は、Storytelling、  Divestment  、Artivism、についてセクションに別れて専門家の人から話を聞くスキルシェアを行い、それぞれが自分の知りたい分野について学びを深めました。

私は350 Japanの代表古野さんによる  Divestment  のセクションを選び、始まった経緯やどう世界中へ広がっていったか、なぜ  Divestment  が大事なのか、これから日本でどのように運動を展開していくか、などを知ることができました。「なぜこのようなアプローチをするのか」やキャンペーンの背後にある中心軸を知ることで、「じゃあこれもできるかな」など、この運動の中で自分には何ができるか考えるようになりました。

同時に  Divestment  は理念とその現実性でここまで世界中で広がってるんだ、「これはもっともっと可能性があるのかも」と思い、「まだ広がっていない東アジアや特に日本で広まれば大きな違いを生み出せるんじゃないか」と楽観的すぎるかもしれませんが希望を持ち是非広めていきたいと思いました。

また、  Divestment   が成功を収めているオーストラリアでキャンペーンの中心となった人から Skype でオーストラリアでの  Divestment  運動の詳しい話聞き、成功例を見ることで、日本での  Divestment  の目指す目標が少し見えた気がしました。

その後は各国のキャンペーンのシェアや、環境にいい街づくり2020、などのワークを行いました。各国のキャンペーンシェアは過去、現在、未来、と三つに分けて3コマ形式で自分たちの運動について発表し「この人たちこんなことやってるんだ」と新鮮な驚きや尊敬を他のそれぞれの気候変動に取り組んでる人たちに抱きました。一日でインプットとアウトプットが多く、考えさせられとても濃い一日となりました。

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◎ DAY4 ー Visualization を学びさらなる衝撃…自分にできることは?

Visualizationとブログ発信についてのセクションと Storytelling のスキルシェアのセクションの2つに別れて勉強しました。私は Visualizationとブログのセクションを選び、日本の火力発電所への投資状況や東アジアの化石燃料エネルギーへの依存状況が、350の調査で数値化されグラフ化されたのを見て、いかに日本が化石燃料事業を支援しているのか改めて理解し、驚きました。「なんで、、、」と思いました。またVisualizationの一環である火力発電所がある場所に赤印をつけた地図を見た時、日本の海岸のが真っ赤になっているのを見てさらに衝撃を受けました。普段発電所の場所やそれがどれだけあるか、なんて気にしたことがなかったのでこ「こんなにあるの!?」と思いました。

また、データ化の一環で日本の火力発電所の新規増設についての話が出た時、「43基」が新しく作られると聞いて「そんなに必要なの?え、日本のエネルギーって足りてないの?どうなってるの?」と思う自分がいて、衝撃と共に自分の無知さを痛感しました。いかに自分がこういった状況について知らないかを自覚し「もっと知ろうとしなくちゃなあ」と思いました。

セクション後は各国の2020年に向けた目標設定と現状分析をして、日本チームも具体的な目標を立て、今自分たちにないものは何かと持ってるものは何かを考えていく中でみんなで日本チームのこれからのビジョンを明確にしていくことができました。チームでの具体的な目標を考えたことで、「じゃあ私はどうしようか何できるかな」と自然と考えるようになり、その後の参加者自身でのEACLC後の自分の目標を互いにシェアした時にはだんだんと形になっていきました。同時に、問題は大きいのに自分にできることがとても小さいことを痛感しました。でも「小さいことだけどできることを少しずつでもやっていこう」と思いました。

終わりの時に一人ひとりがEACLCの Certification に2020年までの自分の目標を書いて他の参加者たちに署名をもらいました。私は「自分の大学での  Divestment  に始まる気候変動に学生で取り組むサークル、あるいは学生団体立ち上げ」にしました。どうやるか想像もつかないし仲間も見つかってない、しかもまだ自分の通う大学が化石燃料事業に投資してるかもわからないのにこ  Divestment  を自分の目標にしていいのか迷いましたが、とにかく自分にできそうなことがあったらやってみよう、と思い大学への開示請求を最初のステップにすること決めました。「本当に自分にこれができるかわからないけど大学2年生で後2年以上あるし、このキャンプで感じたことを無駄にしたくない」と思い、とりあえずやってみることにしました。

キャンプはこの日が実質的には最終日だったので夜にCultural NightというちょっとしたFarewell Partyのようなものを行いました。

日本チームは浴衣を着て350風にアレンジしたPPAPを踊りました。とっても楽しかったです。

EACLC - UMIKA Photos

 

◎ DAY5ーSee you 台湾!

この日はキャンプ最終日で朝10時にホテルをチェックアウトして空港に向かいました。このEACLCを通してでは正直ただ「いつもどこかで気にかかっていた、環境問題に興味がある」と言っていた自分が正直恥ずかしくなりました。本当に自分が気候変動の1割もきちんと理解していないことや国内のエネルギー状況すら知らないことに気づきました。ただ興味ありますって言っても何もアクションを起こしていなかった、言わない方がマシだあ、とまで思いました。。。だからこそ今度こそアクションにつなげたい、と思います。失敗してもいいからとりあえず何かやろう、そんな風に思うようになった5日間でした。

と、簡単にざっくりどんな感じでEACLCが行われてるのかわかっていただけたかなと思います。

EACLCでは、互いのこれまでの経験をシェアして学び合い、新しい知識も学び、考え、自分たちに何ができるのか話し合い、とても学びの多い濃い5日間でした。参加する人はみんな形や度合いはそれぞれ違っても気候変動に本気で取り組んできた人たち、強い思いを抱いている人たちです。東アジアで同じような問題意識を持ち活動してきた人たちと出会い、 一緒にふざけて笑ったり、時には真剣にいろんな話をしたりするのはとってもいい経験になりました。

環境問題というのは、特に日本だと気にしてるのは少数派、と感じてしまうことがあります。でも世界でも自分たちと同じことに向かって頑張ってる人たちがいる、と実感できることは自分の 背中をより押してくれる気がしました。

EACLCは台湾チームのおかげで本当にためになる5日間でした。台湾チームや参加させてくれて5日間サポートしてくれた日本チームのみんなに感謝です!

EACLC - UMIKA Photos 2