2018年1月11日

【プレスリリース】350.org ニューヨーク市が5つの年金基金の化石燃料ダイベストメントを発表

プレスリリース  

2018年1月11日

350.org ニューヨーク市が5つの年金基金の化石燃料ダイベストメントを発表

※当資料は、国際環境NGO350.orgが、米国現地時間2017年1月10日に発表した報道資料を日本で抄訳したものです。英語のプレスリリースはこちらからご覧になれます。

市民からの5年間の絶え間ないキャンペーンを受け、ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長は同市が全面的な化石燃料ダイベストメントを進めていることを発表しました。これは、ニューヨーク市が管理している5つの年金基金(運用資産総額1910億米ドル、約21兆円)(注1)が100以上の化石燃料関連企業から50億米ドル(約5568億円)分の有価証券を投資撤退させることを意味します。市長は5年以内に完全なダイベストメントを目指すと発表の中で言及しています。

本日のニューヨーク市の発表を受け、世界的なダイベストメントのコミットメント(確約)は運用資産総額6兆米ドル(688兆円)以上を占める810機関にまで達しました。

化石燃料ダイベストメントに加えて、市長はエクソン・モービル、シェブロン、BP、ロイヤル・ダッチ・シェル、コノコフィリップスなどの5大石油会社に対して気候変動による被害の訴訟を起こすことを同日発表しました。ニューヨーク州のエリック・シュナイダーマン司法長官はエクソン・モービルに対して気候変動に関する虚偽報告の嫌疑で調査を進めていて、カリフォルニア州の7つの自治体が同様の訴訟を起こしています。この発表は、気候変動の悪化に対する化石燃料関連企業の責任を追及する#ExxonKnewキャンペーンにとってはかなりの追い風となりました。

ニューヨーク市は化石燃料ダイベストメントにコミットしかつ化石燃料関連企業への訴訟を起こす米国初の大都市となりました。

ビル・デブラシオ市長はこの発表に関して、「ニューヨーク市は将来世代のために、年金基金を化石燃料からダイベストメントする米国初の大都市となることを決意しました。同時に、気候変動の深刻な影響を知っていたにも関わらず、自社の利益を守るために市民を意図的に欺いてきた化石燃料関連企業に対する責任追及を厳格に行っていきます。気候変動が悪化し続ける中、それらの影響にニューヨーク市を適応させより安全にするコストを肩代わりするのは、気候変動の悪化を促進した化石燃料関連企業です」というコメントを寄せています。

「ニューヨーク市は、今日、この地球上の気候変動との戦いの中心となっています。ハリケーン・サンディ以降、ニューヨーク市民は気候変動のリスクを痛感しています。ニューヨーク市の沿岸域は特に海面上昇に脆弱であることから、市は気迫を示し、金融や司法を通じて化石燃料関連企業に対して立ち向かっています」国際環境NGO350.org共同創設者ビル・マッキベンはコメントしています。

国際環境NGO350.orgの日本支部代表の古野真は「ニューヨーク市が直面している気候変動による極端な異常気象や海面上昇などの影響は日本の大都市にも訪れるでしょう。国の温暖化対策が不十分である場合、市民・自治体・企業による大胆な行動が必要です。350 Japanは引き続き、邦銀に対して化石燃料関連企業への投融撤退(ダイベストメント)を促すために、預金者や団体に気候変動を悪化させる銀行との取引の中止そして地球に優しい銀行ヘと乗り換えるアクションを呼びかけます」と述べています。

ニューヨーク市に続いて、サンフランシスコ市では1月24日にサンフランシスコ職員退職年金基金 (SFERS)理事会による化石燃料ダイベストメントに関する投票が予定されています。


1:ニューヨーク市職員退職年金基金(NYCERS)、ニューヨーク市教職員退職年金基金、ニューヨーク市教育委員会退職年金基金(BERS)、ニューヨーク市消防士退職年金基金、ニューヨーク市警察官退職年金基金)

▶︎350.org Japanについて  

350.org Japanは、米国ニューヨークを拠点にもつ国際環境NGO350.orgの日本支部です。当団体は、化石燃料ダイベストメントを日本で広めるために、2015年4月に設立されました。温暖化を加速させている化石燃料関連企業や、国民の安全や健康を危険にさらす原発関連企業へ投融資をしていない「地球にやさしい銀行」選びを消費者に促すキャンペーンを現在展開しています。

▶︎本件に関するお問合せ

棚尾真理絵 350.org Japan 広報

TEL:090-2183-2113

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