ダイベストメントで美しい地球を継承したい

HighLogic代表、小森優美さんのダイベスト・ストーリー

 

 

今までのオーガニックブランドにはないビビッドなカラーと、セクシーで可愛らしいデザインが魅力のインナーブランド「Liv:ra(リブラ)」。日本の伝統技術「草木染め」で染色したオーガニックコットンを使ったインナーは、たくさんの女性に人気です。

 

若者たちに本物に触れる機会を

 

 

「今を生きる若者たちのほとんどは、小さな頃からファストファッションを着るのが当たり前になっていて、本物に触れる機会が少なくなっているんじゃないかな。一度でも本物を知ること、どんな時代の変化があっても、”よりどころ”として戻るところがあることは、日本人として大事なことなんじゃないかなって思います」

このままだと日本の伝統が継承されずに終わってしまうのではないかという想いからブランドをスタートしたと話す小森さん。Liv:raは、2017年7月に受注生産型のクラウドファンディングを実施し、通常よりも安価に生産する実験を行いました。

「以前から、オーガニック製品や日本の伝統工芸品は高価で買えないという声がたくさんありました。期間を決め、受注してから生産する仕組みであれば、コストも削減できてロスもほとんど出ず、高品質なものを安価に届けられます」

 

さらに、近い将来には働き方が大きく変わり、プロジェクト単位で働く人が増える時代になることが予測されていることから、若者たちが活躍できる場として、若者のための受注生産型プラットフォーム「TSUNAGU(ツナグ)」をスタートしました。

TSUNAGU は、日本の伝統工芸職人さんと一緒に服や雑貨をつくることができる仕組みです。若者がデザイナーの経験ができるようなプラットフォームになっているので、若者たちがスキルを磨き、デザイナーとして独り立ちできるよう助ける仕組みにもなっています。

これによって、若者たちが日本の伝統に触れられる機会を増やし、後継者不足の問題も解決に導くことができるのです。

 

伝統をつなぐことで美しい地球を残したい

 

 

この「TSUNAGU」のネーミングには、「過去と未来をつなぐ」という意味や「工場とユーザーをつなぐ」「若者と伝統工芸をつなぐ」、たくさんの意味が込められています。

「日本にはそもそも言葉にしなくとも、エシカルで素敵な伝統がたくさん存在しています。次世代に日本の伝統を継承していくことで、地球環境を良くしていきたいなって思います」

日本の昔からの伝統や文化には、持続可能な社会を実現していくための知恵がたくさん詰まっています。若者たちに機会を与えること、また仕事をつくるための仕組みをデザインすることで、日本の伝統や文化や地域を守っていきたいと小森さん。

ここからは、美しい地球、美しい日本を継承していくためにダイベストメントを選択した小森さんのダイベストメント・ストーリーをご紹介します。

 


 

Q 地球にやさしい銀行に口座をつくろう(ダイベスト)と思ったきっかけは何でしょうか?

TSUNAGUの立ち上げのときに口座をつくろうとしたときに、銀行に関する情報がなくて。そんなとき、地球にやさしい銀行一覧を紹介していただいたことがきっかけで、口座開設に踏み切りました。

Q 今回はどの口座をどの銀行に替えたのですか?その銀行を選んだ理由も併せて教えてください。

楽天銀行にしようと思った理由は、エシカルな商品を扱う通販サイト「アースモール」をつくっていたこと、口座がすぐにつくれること、この二つです。

 

 

Q 口座を替えてみてどうでしたか? 何か気持ちの面で変わりましたか?

気持ちがいいなと思いました。爽快な感じ。今までお金の流れを考えて過ごすことがそこまでなかったので、きっかけをもらえてとてもいい経験でした。

 

Q 口座をつくるのに、どれくらいの時間を要しましたか?

3週間かかると言われていたんですが、ネットでのやり取りがほとんどだったので、2週間ほどでできました!

 

Q 口座をつくるプロセスで特に難しいと感じたことはありますか?

ネットによる開設で、難しいことはほとんどなかったです。法人印鑑証明と履歴事項証明書を法務局で手配することが少し面倒だったので、今後ネットで手配出来るシステムができてほしいなと思います。

「等身大の発信をしたい」と思っている若者たちの思いを発信するメディア「FLAT.」もスタート。

 

 

Q 銀行に伝えたいメッセージはありますか?

一番伝えたいのは、お金の流れをきれいにしてほしい、ということ。あと聞いてみたいのは、海外ではダイベストメントが進んでいるのに、なんで日本ではこんなに進んでいないの?ということですね。

おそらく、ピラミッド型のシステム、年功序列が壁になっているんじゃないかなとは思います。経団連会長は、最近までPCメールを使用したことがないというニュースがありました。銀行でも、決定権を持っている方が、世界の流れを把握していない可能性がある。

銀行内部でもきっとダイベストメントの動きをしたい方はたくさんいると思うので、そういう方の声をきちんと聴く体制づくりをしていってほしいなと思います。

また、ソーシャルビジネスは投資が得にくいので、もうちょっとそういうところにお金が集まるような仕組みがほしいなと思います。それこそ、きれいなお金の流れにつながっていくんじゃないかなって思います。

 

Q これから地球にやさしい銀行を選びたい方に向けて、メッセージをお願いします。

個人の口座開設はアプリなどで簡単にできるので、まずは個人で挑戦してみてほしいなと思います。個人の挑戦から社会変革が起きていってほしい。金融もファッションも、みんなで地球を継続していこうって同じ想いで動いていると思います。みんなで頑張らないとそれは実現できません。もっと業界を越えて、たくさんの人と協力していけたらいいなと思います。

 

 

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小森 優美(こもり ゆみ)

株式会社HighLogic代表取締役
ファッションデザイナー
1983年奈良生まれ。2006年大阪モード学園卒。新卒でファストファッション企業のデザイナーとして就職後、商社系ブランドライセンス事業会社の新規事業開発室に転職、新規ブランド立ち上げの仕事に携わる。2010年独立、株式会社HighLogic設立。当初はファストファッション通販会社として始めたものの売上至上主義の仕事に疑問を感じ、自然や人、地球と調和したファッションのあり方を模索しながら2013年メイドインジャパンのエシカルファッションブランド”Liv:ra(リブラ)”開始。以後、Liv:raをはじめとした、企業の商品開発、ブランディングなど、エシカルプロダクトデザイナー/ディレクターとして活躍中。

Liv:raTSUNAGU

多くの個人や団体が「地球にやさしい銀行」を選ぶこによって、全ての銀行に対して地球環境に配慮した投資行動を促す「レッツ、ダイベスト!」キャンペーンに関する詳しい情報はこちらのウェブページよりご覧ください。