本当に受け入れがたい、世界的な大問題です。 そしてこの問題の裏には、無数のストーリーやデータが存在します。 350.orgでは、気候変動の影響を調べるために、新たに「クライメート・インパクト・チーム」を設置しました。チームはこの1年間を費やし、気候変動による新たな課題に対し、人々がどのように向き合っているのかを聞き取っています。 世界中の至る所で極端な気象事象が観測され、気候変動の特徴がはっきりと現れ始めた2015年。 昨年は、世界の平均気温が初めて産業革命前より1℃以上も上昇し、「気候変動のティッピングポイント(臨界点)」とも呼ばれています。
でも難しい話に入る前に、まずお伝えしたいことがあります。それはこの1年間に、世界中で何度もお互いを助け合う人々を、目にしてきたということです。これは本当に大きな力です。 巨大なサイクロンの襲来時にも、大規模洪水の発生時にも・・・他者を助けるために奔走する大勢の人々の姿を、目の当たりにしました。 台風13号(アジア名、ソウデロア)襲来後のサイパンから届いた、素晴らしいストーリーをご覧ください。
あなたにとって、2015年はどんな1年間でしたか? 2016年はどんな年になると思いますか? 気候変動や異常気象の影響について、あなた自身はどのように感じられたか、感想やご意見をお聞かせください。 ハッシュタグ #climateimpacts を使ってSNSでシェア、または [email protected] にお送りください。
実際に2015年はどれだけ暑かったのか?
次から次へと押し寄せる熱波。 この1年間、世界各地で猛烈な熱波が報告されました。中でも、昨年7月から8月の中東は、前代未聞の熱波に見舞われました。 イランの都市バンダルマズハーでは、何と体感温度73℃を記録しました。 これらの地域には、数百万もの難民となった人々が身を寄せています。熱波は、彼らにさらなる過酷な状況をもたらしました。
また、猛烈な熱波に見舞われたインドでも、2,300人以上が命を落としました。 これは、季節性のモンスーン到来が平年よりも遅かったため、気温上昇が続いたことが原因です。 世界の注目を集めた、こちらの画像をご覧ください。
猛威を振るう森林火災 広範囲に広がる森林火災に、世界各地で対応に追われた1年間でもありました。 カナダでは約6,000件の森林火災が発生し、シチリア島の面積に匹敵する国土が焼き尽くされました。 1960年以来の、極めて壊滅的な森林火災シーズンを迎えた米国でも、1,100万エーカー(デンマークの国土とほぼ同じ面積)余りの森林が消失しました。 また、数千人もの住人が自宅を離れ、避難を余儀なくされました。
This is what it’s like to drive through a gigantic #wildfire #RockyFire #Calfire #drought #fireseason #fire #firefighters A video posted by Jeff Frost (@frostjeff) on Aug 3, 2015 at 8:56pm PDT
「スーパーストーム」と呼ばれる、巨大暴風雨の多発。 昨年、北半球で発生した大型サイクロン、ハリケーン、台風の数は、これまでの記録を塗り替えました。カテゴリー4(風速59から69m)または5(風速70m以上)に分類される「スーパーストーム」の発生数は、22件にのぼります。 それまでの最多の発生数は、1年間当たり18件でした。 昨年の「スーパーストーム」のリストは、こちらをご覧ください。 例えば、昨年10月に発生したハリケーン「パトリシア」は急速に勢力を拡大し、西半球で観測史上最大級の暴風雨を伴い、メキシコに上陸しました。
This is how the strongest hurricane ever recorded sounds like. Images from Melaque, Jalisco @UniNoticias #Patricia pic.twitter.com/Zw4p29gqxT — Enrique Acevedo (@Enrique_Acevedo) October 24, 2015
エルニーニョが気候変動を加速。 気候変動により生じた過剰な熱のうち、90〜95%は海洋に吸収されます。その結果、2015年から2016年にかけてのエルニーニョ現象は、史上最強レベルに押し上げられたのです。 世界気象機関のミシェル・ジャロー事務局長は、次のように述べました。「今回のエルニーニョは、未知の領域に入りました。 気候変動により、この地球は激変しているのです。」
今回のエルニーニョは、パプアニューギニアや東アフリカで深刻な干ばつを引き起こし、パラグアイ、ボリビア、インドのチェンナイなど、世界中の至るところで、洪水を発生させています。 エルニーニョによる影響は、こちらもご覧ください。
過去と比べると、どれくらい暑かったのか? 2015年は、「平年よりも少し暑かった」という程度の話ではありませんでした。過去の記録に大差をつけ、ケタ違いに暑かったのです。 米航空宇宙局(NASA)は次のように発表しました。「2015年の世界の平均気温は、2014年の記録を抜き、前年比で0.13℃も上昇しました。 これほど大幅に記録を更新したのは、1998年の1度だけです。」
壊滅的な気候変動を食い止めるチャンスは、ますます狭まるばかりです。 2016年はこの状況を一変させ、パワフルなアクションの年となるよう、私たちが行動を起こしていきましょう。そして、化石燃料ゼロの未来に向け、着実に歩み始める年にするのです! 今年の5月に予定されている「脱化石燃料」アクションに、ぜひご登録&ご参加ください。