今年10月、90を超える世界的な銀行がブラジルに集い、大規模インフラプロジェクトに融資する際のルール「赤道原則」のもとでの銀行の責任について議論を行います。 赤道原則を採択している銀行(エクエーター銀行)は、大規模インフラに融資する際に、「社会的に責任ある態度で」かつあらゆる手段をもって気候変動への悪影響を避けることを約束しています。

 

一見、良いことでありますが、実際は実効性にかけています。

現在、赤道原則に定められている内容は、銀行が気候に悪影響を及ぼすプロジェクトに融資することを、防ぐことができていません。 石炭火力発電所、炭鉱、タールサンド採掘・運搬、石油パイプライン、天然ガス火力発電所、深海石油掘削、北極での新たな化石燃料資源の探索プロジェクトなどこういったプロジェクトはすべて、赤道原則のもとで、銀行貸し出しの対象として認められているのです。

また、先住民族は彼らの伝統的な領土が事業に利用されることを拒否する権利を有します。しかし赤道原則は、銀行が、国際法の中でも認められている先住民族の権利を蹂躙するようなプロジェクトに融資することを阻止できるものにはなっていません。 アメリカ大陸からオーストラリアまで、先住民族は化石燃料採掘や輸送プロジェクト、また大型水力やそれ以外の先住民族の土地や伝統的な暮らしを脅かすプロジェクトをめぐる戦いの最前線に立っています。

アメリカ合衆国のダコタアクセスパイプラインプロジェクトは、スタンディングロック部族と、シャイエンリバーラコタ部族が激しく反対し、ホンジュラスのアグアザルカダムプロジェクトでは、先住民族のリーダーでランカ族の反対運動を率いてきたベルタ・カセレスが暗殺されました。二つとも、赤道原則のもとで銀行が融資を行っているものです。

 

破壊的なプロジェクトを許してしまう赤道原則の価値とは?

私たちはエクエーター銀行に対し、気候災害への融資をやめ、先住民族の権利と土地を全面的に尊重する新たな原則の採択を10月の会合で行うよう求めます

 

呼びかけ文全文をみる

エクエーター銀行は行動を!

気候災害に融資をするのは止め、

先住民族の権利と土地を尊重せよ

今年10月23日から25日にかけて、91の銀行がブラジルのサンパウロに集い、赤道原則下での銀行の環境や社会への貢献について議論します。

赤道原則は、原則を批准している銀行に対し人々や地球に多大な悪影響を及ぼすような事業に融資しないよう確保するものである一方、エクエーター銀行は、世界の気候に多大な悪影響をもたらす、石炭、石油、ガス採掘・運搬、発電事業などのプロジェクトに融資を続けています。 エクエーター銀行はさらに、先住民族の権利や利益を蹂躙するような化石燃料プロジェクトやそのたの事業に対しても融資を続けています。

私たちは、今日の赤道原則が、採択銀行に世界の気候や先住民族にとって負の影響をおよぼすプロジェクトに融資を許している状況に愕然としています。 持続可能性に実際に貢献する存在になるために、赤道原則の全体的な見直しが必要です。

 

私たちは赤道原則協会に対し、赤道原則を全面的に改定することに合意すること、少なくとも下記の2つのことを改定に反映するよう求めます。

 

  1. 気候災害への融資を止めて

•          地球の気温上昇を2度以下に抑え、1.5度を目指すというパリ協定のゴールへのコミットメントを含めること

•          赤道原則のフレームワークの下で融資されるすべてのプロジェクトが、パリ協定の目標と矛盾しないように定める厳しくかつ拘束力ある基準を定める事、またそのために

•          すべての新規化石燃料採掘・運送プロジェクト、化石燃料発電プロジェクトを、赤道原則のもとで、明示的に禁止すること

 

  1. 先住民族の権利と土地を尊重すること

•          先住民族が伝統的に利用し、占有する土地でのプロジェクトに対しての同意を留保するために、地球上のいかなる地域においても先住民族の権利を尊重することを原則の中で明示的に示すこと

•          先住民族の同意を得ないプロジェクトに対し、直接的にも間接的にも融資しない事

•          先住民族の権利が完全に尊重されるように、デューデリジェンスとコンサルテーションプロセスを強化すること

•          先住民族やその他プロジェクトにより影響を受けるコミュニティーが、権利や利害を侵されたときに、プロジェクト出資者と融資銀行に対し、確実に紛争解決メカニズムへのアクセスがあること

 

気候変動を加速させるプロジェクトを実際にやめ、先住民族の権利を尊重するための秋雨的な努力を深めるのか、もしくは現在世界中で人々が直面している差し迫った社会問題や環境問題に取り組むにはまったくふさわしくない赤道原則を残すのか。エクエーター銀行は、ブラジルでこの二つの選択肢に直面します。 私たちはエクエーター銀行がこの呼びかけに対し、断固たる態度で行動をとることを期待します。

 

エクエーター原則違反のプロジェクトの例

dakota_access_pipeline                              tjb2
ダコタアクセスパイプライン / 米国         タンジュンジャティB2石炭火力発電所(TJB2) /インドネシア

 

 

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